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青山のウエスト。端正にして凛々しきホットケーキ

青山のウエストに行ってみようとテクテク歩く。
外苑東通りをまっすぐ。明治神宮外苑と赤坂御所の間を通り、青山通りを超えたら右手は青山墓地。
40分ほどの移動の間の半分以上が緑の中、というのがステキな散歩道。

開店時間の10分ほど前に着いたらすでに入店待ちの人がお店の外に溢れてる。座れるかしら…、と心配しながらちょっと待つ。
ご婦人方のグループ客がほとんどです。だから人数のわりに組数は少なめ。なんとかなるかなぁと思って待っていたらスタッフさんが名前と人数を確認しにくる。
店内、テラスとも一巡目でご案内できますよ…、って。ちなみにボクの3組後ろで満席だった。ありがたい。

テラスの席を頂戴しました。
5回くらいかなぁ…、タナカくんと一緒に来てホットケーキとスフレをたのんで分けていた。
どちらも銀座のお店にない料理。そして時間のかかるお料理で、のんびりするのにぴったりだった。今日はホットケーキをたのんでのんびり待つことにする。

緑鮮やかな季節です。テラスの席は晴れ晴れするほど気持ちよく、ここが都心と思えぬほど。
お供はリーフサラダとコーヒーにする。

甘いドレッシングを丁寧にまとわせたベイビーリーフに、身質のしっかりとした甘いトマトのさわやかサラダ。噛むとクチュっとトマトが潰れて口の中がみずみずしくなる。
コーヒーにミルクを落とすとカップの底からクリーム色の螺旋がゆっくり湧き上がる。乳脂肪分の多い重たいクリームが酸味も苦味をなめらかにするおゴチソウ。

ミルクのピッチャーもシュガーポットも、手のひらにすっぽり収まる小さめナイフやフォークも見事に磨かれていてキラキラしてる。ここもやっぱり「銀座ウエストクオリティ」。

ホットケーキが到着します。

白いお皿に黄金色のホットケーキ。
まぶしいほどにうつくしい。
なにものにもおもねることのない気高さに満ちたうつくしさ。
直径18センチ、厚さ3センチという大きさで、フライパンで焼き上げるので円盤状。
IHヒーターで一定の温度を保ちながら焼き上げるからこんな仕上がりになるんだという。
表面に傷一つなくツヤツヤしていて凸凹もない。甘い香りが鼻をくすぐり「食べて!」と誘う。
フォークの背中で叩くとポンポン、軽い音がする。
表面は乾いて仕上がっているんです。ナイフを入れるとサクッと乾いた音をたて、あっけないほど簡単にナイフが通りカチッとお皿にキスをする。生地の断面は粗めです。

そのまま食べると焼けた小麦の香りがおいしく、軽い塩気のやさしい味わい。
バターと一緒に食べるとコクと甘味が増すのネ。
噛むと最初はサクサクとした歯ざわりがある。サクサクサクっと3回ほども噛んでるうちにその歯ざわりが姿をけして、生地はとろけてなめらかになる。

歯応えがない食感…、とでも言いますか。焼きあがったばかりのスポンジケーキにサクサクとした歯触りをくわえたような軽やかさ。

メープルシロップを注ぐとゴクゴク、生地が飲み込み生地がポッテリ、甘くなる。なのに表面のサクサク感はそのままでなんとも独特。そしておいしい、オキニイリ。


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