見出し画像

朝の呪文はシェントウジャンにシャオピンジャーダン

四ツ谷一餅堂で朝ごはん。

最近、ここではあたたかい豆乳と台湾スイーツで軽くお茶…、って使い方を好んでしてた。今日はしっかりお腹を満たす。
台湾カフェとでもいいますか…、豆乳に台湾茶、軽食、それからスイーツだけでメニューが構成されてるお店。
最近、こういうお店が増えている。

大抵朝から営業していてちょっと不便な場所にあり「台湾が好き」ってやさしい情熱に溢れてる。
儲かりそうなことをとりあえずなんでもやっちゃう大きな会社が「台湾式朝食健康豆漿」ってお店を水道橋に出したけど、あっという間に撤退しちゃった。
儲けようと思うと期待通りにならない業態っていくつかあって、そういう業態に限って好きな人がやると人気がでたりする。台湾カフェはそういう業態かもしれない…、って思ったりする。オモシロイ。

さて今日の注文。

シェントウジャンとシャオピンジャーダン。口に出して唱えるとおいしい呪文のようでニッコリ。
まずはシェントウジャンがやってくる。

鹹豆漿。「鹹」はしょっぱい、「豆漿」は豆乳。つまりしょっぱい豆乳って意味でとはいえしょっぱいというよりも実は酸っぱい。甘い豆乳じゃないという意味でしょっぱい豆乳って名前になったのかなぁ…、なんてカップの中をかき混ぜながら思ったりする。

お酢で豆乳がホロホロおぼろ豆腐のように軽く固まりラー油の風味が食欲わかす。刻んだ揚げパンが豆乳を吸い込みポッテリしてくるところもおいしくて、朝のお腹があったまる。

シェントウジャンを半分くらい食べたところでメインのシャオピンジャーダン。

焼餅夾蛋と書く料理。

パリッと焼けた台湾風のパイで卵焼きを挟んだ料理で、パイの上にはたっぷりとゴマ。
油の香りと焼けたゴマ、卵焼きの香りが鼻をくすぐる一品。
パイを開いてみるとネギを混ぜて焼き上げた長方形の卵焼き。

パイの中にすっぽり収まる形に大きさ、厚さがなんとも几帳面。
土台のパイにはぽってりとしたマヨネーズ。卵焼きには薄く醤油が塗られてる。
マヨネーズは手作りでさっぱりとした甘めの仕上がり。醤油は台湾のぽってりとした濃度をもったやはり甘い醤油でちょっとみたらし団子のタレのよう。

パイはサクッと歯切れます。表面こそはカリッと硬い。けれどさっくり壊れて口の中でたちまち散らかる軽い食感。西洋的なるパイと違って油をあまり感じないさっぱりとした味わいで、そのさっぱりをゴマが潰れてコクと渋みが濃厚味にしてくれる。
玉子はしっとり。儚いパイと好対照。
玉子焼き自体に味はほとんどついてなく、パイの風味と調味料で味わう趣向。それでか焼けた玉子の香りや味が際立つ感じがオモシロイ。
卵焼きっていう誰もが食べたことのある料理がこんなに新鮮に感じるなんてオモシロイなぁ…。知らぬ素材を使った料理が新鮮なのは当然のこと。知ってる素材がまるで違った料理に変わる新鮮さは、わかりやすくて感動的。

サービスで添えられていたトフィーみたいなお菓子も不思議においしい。お腹も気持ちも満たされる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?