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トリッパって肉感的でおいしいの…。

新宿駅からテクリテクリと歩いて家に向かう途中の「マガザンルージュ」。

気軽でおいしい小さなビストロ。
今日のランチは何だろう…、って思ってメニュー看板をみる。
パスタ、魚、ステーキフリットがいつも用意されていて、最近エゾ鹿のステーキを推している。
それもいいかと思うもなんと今日は「トリッパ」があるではないの。

しかも白いんげん豆とのトマト煮込み。
これ、タナカくんの大好物でそれにしようとお店に入る。

まずはポタージュ。

今日はカリフラワーの冷製スープ。
ずっと大きなお皿にスープを入れたカップにバゲットをのせて提供してたのだけど、今日は小さなスープポットにバスケットに入れたバゲットという提供方法。
カリフラワーの青い香りと濃厚な味。ほどよいとろみが喉をゆったり撫でながらお腹に向かって一直線。冷たいけれどお腹がポカっと温まっていくようなステキなゴチソウ。お腹が開く。

ちょっと時間がかかります。
丁寧に作ってくれているのが遠目に見えてのんびり。
BGMのフレンチポップスを聞きながら10分少々待って、お待たせしましたと今日のメインがやってくる。

トリッパと白いんげん豆のトマト煮込みの上に根付きのままソテしたほうれん草。
お皿の縁には挽いたばかりのブラックペッパーが散らかっておいしい香りを撒き散らしてる。

ほうれん草をまずどかし、うず高く盛り付けられていた料理を崩してその全容をまずたしかめる。
牛の二番目の胃袋で、規則正しい蜂の巣みたいな凸凹がくっきり見える。帯状に切り分けられててフォークでからめて口に入れるとちょうど口を満たす大きさ。

クニュクニュしてます。口の中で暴れながらとろけてく。軽く粘って内臓独特の野性的な匂いが口に広がっていく。クチャっと潰れて舌に貼り付くような食感が肉感的。
白いんげん豆は硬めでホツホツ。その食感のコントラスがまた旨い。

ほうれん草は渋みが強く、胡椒がビリリっと香りさわやか、辛みも旨い。
そういえばタナカくんがトリッパを料理するときはおお仕事だった。何度も吹きこぼしそのたび洗って匂いをとって、やわらかくしてそれから煮込む。オリーブオイルで炒めたところに香味野菜や豆、トマト。一日がかりで作ってた。

あれは本当においしかったって思い出しつつお腹が満ちて、ちょっと泣く。


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