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今日から霜月。牡蠣そばたぐる。

牡蠣そばをどうにもこうにも食べたくなった。
今日から霜月。牡蠣も太っておいしくなってきたに違いなく、それでどうにもこうにも…。
牡蠣そばと言えば銀座の「よし田」のが好き。

やってるよなぁ…、と思いながらやってくる。以前は風情のある日本家屋のお店だった。今はビルの二階のテナント。
窓に「かきそば」「かき鍋」の張り紙がある。

やっていました。勇んで二階に向かいます。
お店はにぎやか。入口近くのテーブルもらう。厨房前の壁に「巣ごもり」の商品札。
他の季節ならばまよわず巣ごもりそばにする。

日本そばを油で揚げてそば出汁の餡でまとめたエビや野菜をとろりとかけた料理で、これがなんともおいしい。名前を見ると気持ちが揺らぐも、今日はかきそばを食べに来たんだといいきかせ注文しました。
関西出汁と関東出汁を選べるんです。一年ほど前に来たときには関西出汁で食べてみた。今年は関東出汁でと思って注文しました。
ランチタイムは俵おむすびが一個サービス。ちょうだいします。

しばらく待ってかきそば到着。

器がコトンと置かれた瞬間から牡蠣のおいしい匂いがしてくる。
そばをすっかり覆うほどにたっぷりの牡蠣。
大粒のものが4粒きれいに並んでる。
ネギにわかめに紅葉の麩。

まずは汁から。
関西出汁は昆布の甘みとうま味が特徴。今日の関東出汁は醤油の風味がくっきりしていて鰹節のうま味と酸味がキリッとしてる。
牡蠣を甘く感じさせてかき鍋みたいな風味さえある。
牡蠣をひと粒、汁と一緒にれんげに乗せる。

太って大粒。縁がめくれてフリルのように見えてなんとも肉感的。艶っぽさにうっとりしながら口に含めば牡蠣の香りが鼻から抜ける。
噛めばクチュっと潰れて滋養に満ちた海のジュースがほとばしる。
火の入り具合が絶妙で、生っぽくなく硬いわけでなく舌の上でプルンと揺れる感じがなんとも色っぽい。
ネギがこれまたおいしくて、パリパリ、耳の奥を騒々しくして音を立てて壊れてく。芯はトロトロ。噛めば噛むほど甘みがまして、牡蠣の食感ひきたてる。

そばはなめらか。バッサリ歯切れて汁と一緒にお腹の中へすべりこむ。ここのそばはおいしい汁を味わうためにあるんだなぁ…、って食べるたびにしみじみ思う。やさしい食感、そして味わい。

俵むすびのゆかりの酸味、香りもさわやか。添えられているタクワンがこれまたちょっと酸っぱくて口やお腹がスッキリしてくる。今年もおいしく食べました。


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