見出し画像

同じフカヒレあんかけなのに…。

昼、天厨菜館。

画像1

新宿の高島屋の最上階。贅沢な飲食店が並ぶフロアの1店舗。

画像2

わざわざ窓を小さく作る。西新宿の超高層ビル街に面した側に、スリットみたいな細い窓。しかも目線をさけて椅子に座ると肩辺りまでが開口部になる窓を作って光を取り込む。
壁は明るい黄色に塗られて、だからお店の中が黄金色に輝くようになっている。
明るい光で満たされた明るい箱。背筋が伸びるいい空間。

画像3

広東料理の名店です。広東料理の花形と言えば、フカヒレとアワビ。香港なんかにいくとそれぞれの専門店があったりするほど、おいしいものに執着する人にとって大切な食材であったりもする。
ここもアワビの料理、フカヒレ料理を気軽にたのしむことができるランチが揃ってて、お店の前に置かれた海鮮焼きそばの写真も魅惑的にておいしげで、けれどやっぱりフカヒレ主役のランチをたのむ。

画像4

フカヒレ料理は2種類。ひとつはフカヒレの汁そばで、もうひとつはフカヒレあんかけご飯。どちらもほどよいハーフサイズで、それに小籠包に漬物、デザートでひと揃えというもの。
小籠包は作りたてを蒸したてでということで少々時間がかかる。
それでまず、汁そば、あんかけご飯が到着。途端においしい香りがテーブルの上を満たしてく。

画像5

まず伸びぬ間にと汁そばから。ザクザクとした歯切れ感が心地よい極細麺に醤油風味の上湯スープ。蟹肉と細切りにしたしいたけが混じったフカヒレがぽってりとした餡で閉じられぽってり麺の上に漂う。刻んだネギの風味が油とオイスターソースの風味をひきたてなんとも旨い。スープをゴクリ。麺をズルリと味わいながら、やおらあんかけご飯に向かう。

画像6

ご飯の上をぽってり覆う黄金色の餡。
なぜこんな色になっているんだろう…、と思って食べるとそれは白菜。オレンジ色がかった白菜の黄色い葉っぱを細切りにしてクタクタになるまで煮込んで仕上げた餡にフカヒレが混じってる。

画像7

この白菜の甘みにスープの旨味と塩味。シャキシャキとした葉っぱの先っぽの歯ざわりにくったりとした芯のなめらか。そこにフカヒレのはりが混じって食感にぎやか。味わいゆたか。
硬めに炊けたご飯のホツホツ感とぽってりとした餡が一緒に口に飛び込み、すべすべするする、ご飯の粒が口いっぱいに散らかる感じがおゴチソウ。

画像8

小籠包がやってきます。せいろに2個。クシュッとまとめたてっぺんのドレープ部分を箸でつまんでれんげにのせる。
薄い生地。中にたっぷり蓄えられたスープがタプンと、れんげを揺すると一緒に揺れる。

画像9

黒酢に千切りにした生姜が浸かってやってくる。その生姜をつまんで小籠包の上にのっける。風味整い香りもスッキリ。皮にお箸で小さな傷をつけるとスープがれんげに出てくる。それをズズッとまずすすり、口の中が上品な豚の旨味に濡れる感じにウットリします。コラーゲン質が唇スベっとさせてくれ、生地はとろけて豚ひき肉がほぐれてパラリ。

画像10

全部食べたらデザートが来る。ちょっと硬めの杏仁豆腐に胡麻がパラリと風味が整う。おゴチソウです…、オキニイリ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?