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うつくしきオムライスは卵が破れてもなおもうつくし

昼はキッチンチェックにします。

ここのオムライスは「タナカオムライス」と命名したくなるほどタナカくんの好物で、自分で作るときにもこれを目指して作ってた。
ごくごく薄焼きの卵で包んだケチャップライス。中が透けるようでありながら破けずしかもしっとりしている。
口に入れるとふっくらとした厚さを感じるほどに存在感があって、なのに卵臭さはなくケチャップライスを邪魔しない。
何度試してもなかなかこうはならなくて、どうやって作ってるんだろう…、って研究と称して来てた。

当時は今みたいに行列ができるほどの混雑じゃなかったから厨房が見える席を選んで座れて、じっと作るのを見てた。
鉄のフライパンじゃなきゃダメなのかなぁ…、卵に何か混ぜてるのかなぁってモゴモゴ言いながら結局食べるのに一生懸命。秘密は分からずじまいにするのが粋でござんす。
今日はその厨房の真ん前の席に座れた。なつかしい。

さてやって来たオムライス。

卵がちょっと破れてた。卵を薄く焼くと破れちゃうんだよね…、ってよく言っていた。もしかしたらタナカくんが降りて来て焼いたんじゃないかと思ってクスッと笑う。

すりおろした玉ねぎの辛味がおいしいドレッシングのサラダをまず食べ、それから目当てのオムライス。

塩が強く感じるときもたまにあって、ところが今日は見事に味が決まってる。ケチャップ控えめのケチャップライスはパラっとしてて、散らかりながら卵やケチャップと混じり合う。

ハムにピーマン、タマネギ。いつもよけてたマッシュルームが今日はひときわ多くてクスリ。今日もおいしい、オキニイリ。


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