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銀座ウエスト。トーストにはちみつ、マーマレード。ゆで卵にサラダ。どれも上等

一日を銀座ウエストではじめるシアワセ。

雨が降ろうが曇っていようが、冬であってもジリジリ暑い夏であろうがここには同じ空気があって、いつも明るく気持ちを晴々してくれる。
糊のきいたテーブルクロスに白い背当てにモケットのソファ。
おだやかなのに、心地よい緊張感に背筋が伸びる。
「上等な空間とゆたかな時間」に身をおくと、心が洗われるように感じるところがオキニイリ。
なににしようかやっぱり迷う。
おいしいサンドイッチのお手本みたいなハムと卵のサンドイッチ。
手づかみできるハムステーキのごとき贅沢なハムトースト。
食べたいものは数しれず、けれど今一番のオキニイリがトーストセット。トーストをよく焼いてくださいね…、ってひと言添えて注文します。

お供の飲み物はアールグレイのアイスティー。
食事の準備がテキパキと、しかし優雅にはじまってテーブルの上はたちまちにぎやか。
ハッカの香りの熱いおしぼり。箔押しの天使が踊るお冷グラスに銀のピッチャー、ミニチュアみたいな塩ケース。
いつものようにキラキラ眩しい。

「ご自由におとりください」と差し出されたバスケットの中にはジャムやハチミツが整然と並べられてる。マーマレードとハチミツを選んでしばらくのんびりと待つ。
注文を受けてポットで茶葉を蒸らして仕上げる紅茶。氷で冷やして出来上がるまでちょっと時間がかかるのだけど、香りや風味はやはり格別。テーブルの上にあってすでに香りがとても華やか。
グラスを持ち上げその冷たさを手でまず味わい、唇つけてひんやりとした温度をたのしむ。アールグレイのベルガモットの香りってどこか南国的でエキゾチック。スッキリとしたあと口に気持ちもスッキリ。ゴチソウ。

トーストセットがやってくる。
ベビーリーフにトマトのサラダ。
殻をキレイに剥いたゆで卵。

トーストの焼き加減があまりに見事で「本当によく焼けてますね」って思わずつぶやく。
「お気に召していただけてよかったです」って答えも見事でニッコリしました。さぁ、食べる。

ちょっと甘めのドレッシング。

ここの茹で卵はよく茹でられてて、殻を剥いてからしばらく休ませているからでしょう…、白身の水気がほどよく抜けてかっちりとした歯応えがよい。
トーストをひと口分ちぎってトマトをのせる。

バターが滲んで指がひんやり。ハッとする。硬めのトマトがパキンとこわれて明るい香りと甘酸っぱさがバターの風味と混じって気持ちをとろかすおいしさ。サラダと卵を全部食べたら本格的なトーストタイム。

マーマレードをたっぷりのっける。酸味と苦味が焦げた小麦を香ばしくしてバターの風味をひきしめる。

そしてハチミツ。

ゆったり垂れてトーストの上で折り畳まれるように溜まって輝くハチミツがバターと出会う。塩気と甘み、コクと風味が混じり合い口がよろこぶオゴチソウ。
おいしいなぁ…、表面焦げたトーストのサクサクとした歯触りにフッカリとした生地の内側。甘味よりも塩の風味がしっかりとして口の中でももったりしない。

全部食べてもお腹が重たくならないところもありがたく、アイスティーを2回おかわり。最後の一杯にはガムシロップとミルクをたっぷりくわえてお腹に甘い蓋をする。
今日はバッハのチェロが響いておりました。


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