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今シーズン最初のカキフライは三州屋
今シーズン最初のカキフライは三州屋にしよう、と決めてた。
この時期の牡蠣の粒はまだ小さい。だからもう少し我慢しようと思ってたんだけど、朝の築地のついでに食べることにした。
我慢は体に毒だから(笑)。
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小さな路地の突き当り。写真を撮ると、ここが銀座と思えぬ景色。
開店とほぼ同時に来たら先客ひとり。おいしい空間をほぼひとりじめ。
お酒をたのしみたくなるお店です。
![](https://assets.st-note.com/img/1697624303987-e9dk3ghMpS.jpg?width=800)
寡黙に料理を作り続ける熟練の板前さんたち。
おべっかは言わないけれど手早く陽気な配膳さん。
壁にはずらりと料理の名前を書いた札が貼られてて、見てると喉が鳴ってくる。
商品札を見ていたら、なつかしい札を発見しました。
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並んだ札の右から5番目。「なすーぎ焼き」って書かれてる。
「なすーぎ焼き」ってどんな料理なんだろう…、ってタナカくんと喧々諤々。タナカくんは茄子が好きだったからたのんでみようってことになって、お店の人にたのんだのネ。
「なすーぎ焼きをひとつください」って。
お店の人はしばらくキョトン。壁としばらくにらめっこして「なすしぎ焼きですね」って言った。
「ー」じゃなくって「し」だったわけです。
恥ずかしくって大笑い。
さて今シーズン最初のカキフライ。
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牡蠣を細長く形を整え揚げていくのがここのスタイル。
パン粉は細かくこんがり揚がってきつね色。パン粉ひとつひとつが立ち上がるようになってておいしい匂いが漂ってくる。
ラード混じりの甘い香り。
大ぶりに切ったレモンに千切りキャベツ。野菜のマヨネーズ和えが添えられている。
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そう言えば、ここの野菜のマヨネーズあえには必ず黄桃の缶詰がついていたのに今日はなし。もうやめたのかなぁ…、それともたまたま忘れたのか。どちらにしてもちと寂しい。
まずは何もつけずにパクっとひと口。
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衣がザクッと壊れるように歯切れてムチュンと牡蠣が潰れておいしいジュースがジュワッと口に噴き出してくる。
なにもつけなくても牡蠣のうま味と塩味で味はしっかり整っている。揚げ油の甘みもいい仕事をしてくれる。動物の脂まじりの油で海の幸を揚げる贅沢。足りないものを互いが補いおいしくなってく。
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用意されてるソースはウスターソース。すっきりとした酸味とスパイシーな香りが油をスッキリさせるおいしさ。この組み合わせで食べるとタルタルソースなんか無粋だなぁ…、って思ったりする。持ち味を活かす食べ方…、オキニイリ。
ご飯に味噌汁。
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この味噌汁が本当においしい。しっかりとした出汁に赤味噌をたっぷり溶いた濃い味で、具材は刻んだ豆腐になめこ。
なめこのとろみが汁に移って喉ごしなめらか。ポタージュみたいな飲み心地。カブと白菜の漬物はさっぱりとした味わいで、お腹も気持ちも満たされた。
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