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原価をかけない商売はズルい商売なんでしょうか
ボクがコスパって言葉が嫌いな理由のひとつに「原価をかけていないことをズルい」と断じる風潮がある。
原価をかけて値段をおさえる商売はお客さま思い。
原価をかけていないように見える料理を出す店は客を騙そうとする不埒な輩。
だから値上げも許せない。
そんな考え。
原価をかける商売が立派な商売かと言うとボクはそうは思わない。
それで働いている人がしあわせならばいいけれど、働く人に犠牲を強いたり、儲からないから結局店を閉めちゃいましたなんてことになったらしょうがない。
原価をいくらかけるのかは商売の仕方」の問題であって「良い悪い」の問題じゃないと思うんです。
コンサルタントの仕事を長い間やってると、その店の「損益計算書」をイメージすることができるようになる。
原料費や人件費。
家賃もわかるしお店にどのくらいの投資をしているかも大体わかる。
厨房の中に入らなくてもどんな厨房設備があって、どのくらいの経験の人が何人くらい働いてるかもわかっちゃう。
その気になれば…、の話です。
損益計算書を頭に思い浮かべながら食事をするのは、トリックのタネを知った上でマジックショーを見るようなもの。
種明かしされても容易にわからぬほどに洗練されたマジック…、っていうのもあるけど、大体にしてタネがわからないからマジックの世界に酔いしれることができる。
外食も多分そう。
いいお客さまになる極意は「上手に騙されること」じゃないかと思う。
そんな話をしてみましょう。
お客さまに夢を見させることを夢見て
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