見出し画像

朝にやさしい、スープウィズヌードルズ

朝、歌舞伎町を散歩する。最近、徐々に人出が増えた歌舞伎町。
…、とはいえさすがに朝の時間はしずかでのんびり。テクリテクリと歩いているとお腹がどんどん空いてくる。
さて、どこで朝ごはんを食べようか…。
考えているうちに「神座」が24時間営業だったことをぼんやり思い出す。

大阪から東京に進出した一号店がこの店で、そのときから24時間営業だった。ラーメン屋には思えぬ真っ白なビルを自前で建てて、それがまるごとラーメン屋。かわいい女の子が入り口脇のレジに陣取りチケット売ってた。

珍しさも手伝って仰天の売上高を記録して業界の話題をさらったお店も今ではのんびりとした営業状況。入り口脇に券売機を置き大きな商品看板がにぎにぎしい。

買った食券は「こんにゃくラーメン」。

糖質ゼロが売り物の麺。これなら朝のお腹にやさしく健康的じゃないかと思って、それでそれ。
カウンターだけの大型店。厨房の中で大きな鍋でスープが炊かれてておいしい蒸気が噴き上がる。

一時期、置かれてなかったニラの辛子漬けの入った器が復活してた。

客席を仕切る飛沫感染予防の板も撤去され、いつもの景色が戻ってきたのにニッコリします。ホッとする。
しばらく待って料理が到着。

大きく口が開いた器。表面に刻んだ白菜がたっぷり浮かび上に叉焼がのっかっている。麺をすっかり覆い尽くすほどに野菜がたっぷり。スープは見事に透き通っていて油がキラキラ浮かんで光る。

麺は本当にこんにゃくです。

プルプルしていて軽い縮れで唇をベロベロ撫でる。
ざっくり歯切れてバッサリ口の中でちらかる。
シコシコずっと歯ざわりがよく、ずっと熱いスープの中にあっても伸びない。
小麦粉麺の代わりになりはしないけれど、スープの具材としてはたのしい。
ニラの辛子あえをたっぷり上にのっけて食べる。

ニラの香りと辛子の辛みがスープに溶け込みスープがどんどんおいしくなっていく。白菜の芯の部分はサクサク歯ごたえ残したままで、薄い葉っぱのところはやわらか。薄切りにした叉焼がスープをたっぷり吸い込んでふっくらとろける。オゴチソウ。

器の縁に「Soup with Noodles」と書いてある。

スープウィズヌードルズ…、つまりこれは麺を入れたスープということ。
ラーメンを麺の料理を考えるか、スープの料理と考えるかで顧客層とか利用動機がまるで違ったものになる。
麺の料理はお腹いっぱいにさせなきゃいけない。スープの料理はお腹いっぱいを約束しない。スープをおいしく味わうための麺の量とか種類とかはまるで頓着しない自由な世界。だからこんにゃくを入れてもオッケー。フォーでもビーフンでもうどんだって受け入れてしまうかもしれないほど、ここのスープは味わい深い。

甘みが強くどこかブイヨンみたいなコクと風味があって、飲んでるうちにこれは一体何料理なんだろう…、って思わせもする。不思議な魅力、オモシロイ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?