見出し画像

東の方から甘いものがボクを呼ぶ

東の方から甘いものがボクを呼ぶ。
四谷三丁目から東に向かってテクリテクリと歩いていくと麹町。そこから左に折れて再びテクリと歩くと四番町のお屋敷街。
開発待ちの広場があって、そこにポツンと戸建てのお店。
「№4」が見えてくる。

仮設店舗のような建物。リゾート地にあるバンガローのような雰囲気で、テラスがとても気持ちいい。
ビルの中に同じメニューの店を作っても、この雰囲気は作れない。

ずっとここにこのままこうしてあって欲しいなぁ…、こう言う贅沢が許されているある町って本当にかっこいいもの。無くしてしまうのはもったいない。
フレンチトーストを朝から食べる。
30分ほど歩いたご褒美。サイドにサラダとコーヒーたのんで、ついでにグリルドベーコンたのむ。甘いメープルシロップと一緒に食べるベーコンは背徳的なるオゴチソウにて大好物。帰りも歩けばいいんだものネ(笑)。

入り口近くはパンの売り場でパンの香りがおいしくかおる。
朝を焼きたてのパンの匂いではじめるってなんてステキでシアワセなんだろう。
パンの売り場の横にレジが置かれたカウンター。テーブルについてモバイルオーダーすることもできるんだけど、やっぱり対面でお店の人に注文したい。細かなリクエストもできるしお店の人とのやりとりがおいしい時間の扉を開ける鍵だもの…。
まずミニサラダがやってくる。

ミニというのがはばかられるほどタップリ、しかもうつくしい。ロメインレタスにチコリにトマト。オリーブオイルとお酢で軽くドレスされててキヌアがキラッとアクセント。ムシャムシャ食べて、お腹が潤ったところでメインのフレンチトーストがやってくる。

ブリオッシュ生地で作ったフレンチトースト。
もともとふっくらやわらかく、小さな穴がたくさん空いた粗い生地。だから玉子の液をこれでもかって飲み込んでフワッと仕上がる。

上にはシナモン、パウダーシュガー。メープルシロップにホイップした塩バター、カリッと焼けたグリルドベーコン。ベーコンの表面には沸騰した脂の泡がびっしり貼り付きウットリさせる言うコトなしのオゴチソウ。
表面カリッ。そしてサクッ。まずはそのまま口に運ぶとパウダーシュガーがシュワッと蒸散。口の中をひんやりさせて自然な甘みと一緒にとろける。

ナイフで切り分けひと口分にしたブリオッシュにホイップバターをたっぷりのせてメープルシロップをたらりと垂らす。

バターが弾いたシロップがパンにどんどんしみこんでいく。
ポッテリ重たく口に含むと、バターの塩気とメープルシロップの甘みや香りと一緒になってとろけて消える。
口を満たすくらいの大きさに切ってほおばる。
歯の裏側や歯茎をくすぐる感じがたのしく、舌でさぐるとズブズブ潰れる。
歯が必要ないほどのやわらかさにウットリします。

カリカリに焼けたベーコンもメープルシロップをゴクゴク飲み込む。ベーコンらしい脂のコクに塩の味わいにメープルシロップの甘みや風味が混じって甘じょっぱくって切なくなっちゃう。
おいしいなぁ…、こんなにやさしい食感でこんなに甘くて風味豊かで、高カロリーでさえなければこんなにシアワセな食べ物、食べ方って他にそんなにないかもなぁって思ったりする。

ミルクをたっぷり注いだコーヒーをお供にしながらじっくり味わう。オキニイリ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?