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玉ねぎのみそ汁は好きじゃない…、って言ってたよなぁ。

家の近所の「さわ野」で昼食。

カウンターにテーブル3つの小さなお店。昼はご主人ひとりで切り盛り。カウンターの端に座ると仕事の手元が見て取れる。
昼食メニューは6種類。どれも魚が主役の料理。

焼いたものあり、煮たもの、揚げ物と調理方法は多彩でそれをひとりでこなすため、丁寧な準備がなされ手際のよさにうっとりします。
タナカくんが逝く一ヶ月ほど前にはじめてふたりでやってきた。
それから何度か昼に来て、今度は夜に来てみようね…、って言っていたら逝っちゃった。

矍鑠としたご主人の表情が好き…、って武者絵を描かせてもらったこともあるほどで、ひとりで何度か来ていたみたい。「今日は丸正でさわ野さんが買い物してたよ」なんてニコニコしながら言っていた。最近ボクも何度かご主人を町でみかけた。見かけるたびに思い出してはしんみりします。

銀だらの大根煮はタナカくんが大好きだった。
幽庵焼きもご飯がすすむ。
今日はイワシの生姜煮にしようかと思ったけれど、先日食べておいしかった「太刀魚茄子巻き揚げ」をまたたのむ。
太刀魚で茄子をくるんと巻いて楊枝で留めたのに、衣をまとわせザクッと揚げる。

先日食べたものよりちょっと深めに揚がってこうばしい。
衣はバリッと歯ざわりがよく、ふっかりとした太刀魚にとろける茄子が混じり合う。胡麻ダレつけて食べるとご飯がすすむゴチソウ。
ちなみに今日のご飯は銀杏ご飯。銀杏が好きだったなぁ…、殻付きのを買ってきては煎って塩かけお湯割り焼酎と一緒に食べてた。茶碗蒸しにもゴロゴロ入れてネ…、エビのグラタンにまで百合根代わりと入れていた。

お惣菜が4種類。素揚げのハマチとしいたけ、ししとうと煮た一品。もって菊と春雨のサラダに甘い卵焼き。サイドにジャコがあしらわれていて、大根、キュウリ、高菜の漬物でひと揃え。

巻き揚げのお供に野菜の衣揚げ。パプリカ、オクラ、かぼちゃと彩り鮮やかでかぼちゃの甘みに秋を感じる。
巻き揚げの端から茄子が突き出していて、細く割った茄子を丁寧に組んで棒状に仕立てているのに感心しちゃう。手間を厭わぬ人の料理はオゴチソウ。
みそ汁の実はわかめとお揚げと玉ねぎでした。

タナカくんは玉ねぎのみそ汁が好きじゃなくて、妙に甘みが出るからネ…、って言っていたのを思い出す。


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