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ナイフを必要とせぬエレガンス

グラタン、あるいはドリアを無性に食べたくなった。
場所は新宿。…、となると「ル・ブラン」が一番いい選択肢。

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ビックロの脇。つまりかつて新宿三越本館の脇という場所にあるご婦人方がメイン客層のレストラン。
入口前にはメニューを書いた看板がある。

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料理の写真を効果的に使って丁寧にメニューが説明されているなか、ひときわ目立つ写真がドリア。ランチに訪れるお客様の半分近くが注文をする名物メニューが今日のお目当て。

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銀座三越の裏手にもお店があるけど、そちらは現在休業中。コロナの時期を使って設備刷新の工事のため。
新宿のお店は時短営業とはいえランチは今まで通りの営業で開店と同時にお客様が続々と集まってとてもにぎやか。窓は大きく明るくて気軽なムード。けれどお店のすみずみがエレガンスで満たされていて、例えば白いテーブルクロスがまぶしい。

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ランチ時間はメインにサラダ、スープに食後の飲み物がつく。
葉っぱ野菜に紫キャベツ、硬めに茹でたブロッコリにトマトとサラダ野菜の種類は豊富。どれもがキリッと冷やされて、パリパリ口の中を涼しくしてくれる。

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取手のついたカップに入ったかぼちゃの冷製スープ。取手を持ってグイグイ飲んでもいいのだけれど、なんだかそれではもったいなくてスープスプーンでゆっくり飲もう。
…、と思うも結局、グイグイ飲んだ(笑)。かぼちゃの甘みとクリームのなめらかな喉越しにお腹がたのしく動き出す。
テーブルクロスの上にシルバー類が並べられてる。右側からスープスプーンにデザートフォーク、ディナースプーンにディナーフォークという組み合わせ。

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ナイフは用意されてない。
ナイフを使わないと食べることができない料理はない…、という割り切りが気軽で優雅なムードを作り出してるんでしょう。
ナイフを手にすると料理に闘いを挑んでいるような戦闘的な気持ちにたしかになっちゃうし…。
これもひとつのエレガンス。

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そして目当てのドリアが到着。
よく焼いてくださいね…、ってお願いしたから表面かなりしっかり焦げて香ばしいチーズの香りにウットリします。

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アメリケーヌソースを混ぜたベシャメルソースのなめらかなこと。硬めでコツッと奥歯にあたるバターライスの食感を引き立て口の中をにぎやかにする。エビにアサリに刻んだイカ。透き通るまでソテした玉ねぎがシャキシャキスベスベ、良きアクセント。

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ソースも具材もご飯も熱々。フーフーしながら食べるのだけど、それでも熱くて舌の上でお手玉しながらハフハフ食べる。やけどしそうになるけれど、熱々だからおいしくてだからフーフーハフハフ、熱さを我慢しながら食べる。オゴチソウ。

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それにしてもマッシュルームがやっぱりたっぷり入ってる。ボクは好きだから気にならないけどマッシュルームを見るたびそれが苦手だったタナカくんのことを思ってウルッときちゃう。今日もおいしくキレイに食べた。ミルクティーをもらって〆。

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そういえば昔ついてたプチデザートがなくなっちゃった。食後の甘いものとたのしい会話は、近隣の喫茶店やカフェをぜひご贔屓に…、というメッセージだろうと思うことにする。デザートなしでも十分値打ちはあるんだもんネ…、オキニイリ。


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