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民家を使った喫茶店。夫婦そろってのおもてなし

高円寺駅と中野駅のちょうど中間あたりにある喫茶店。「ばらーど」を訪ねる。

表通りから私道を入って奥の建物。民家を使った喫茶店

京橋にお店があった頃にたまに来ていたお店で、10年近く前かなぁ…、閉店された。そこはタナカくんとも何度か一緒に行っていて、ふとしたことで思い出す。
今はどうしてらっしゃるんだろうと調べてみたら場所を変えて今も営業していらっしゃるというので探した。

奥様がサービス。ご主人が調理。夫婦揃ってのおもてなし

表通りに看板があって、そこから細い路地を奥へ奥へと進んだ先の一軒家。
靴を脱いで上がった先がお店。リビングルームを改装して使ってらっしゃるのでしょう…、BGMはベートーベンの田園で不思議なほどにそれが似合った良き空間。
ご主人が厨房、奥さまがサービス。自宅を改装したお店であるにも関わらず、ご主人はネクタイをしめてお客さまをでむかえる。サービスを終えた奥さまが豆を弾いて選別をする姿もステキ。ニッコリします。

モーニングセットをお願いしました。

ハムサンドイッチがメインの朝食セット。
アイスコーヒーをお供にもらう。
まずはサラダがやってくる。
バリバリ、奥歯のところで音を立てて壊れるレタスのみずみずしいこと。
熟れたトマトに青い香りのキュウリもうまい。
厨房からはサンドイッチを仕上げる気配。
パンやハムが焼けていく音、それから香り。ザクザク、サンドイッチを切る音がして、お待たせしましたとやってくる。そのうつくしくおいしげなことにウットリします。

上等なサラダ。ザルにのせられたハムサンド

焦げ目が軽くついたトースト。分厚く切ったロースハム。トーストに塗ったバターに焼けたロースハムからにじんだ脂で切った断面がツヤツヤ潤う色っぽさ。銀座ウエストのハムトーストサンドイッチにひけをとらない贅沢さ。

ハムとバター、マスタードだけ。極めてシンプル…、それがおいしい

カサっと前歯をくすぐります。そしてひんやり唇濡らす。
ハムとトーストの持ち味だけで味が決まるというステキ。これ以上なにも引けない、なにも足さずに完成している。その潔さに感心しながらひと口、そしてまたひと口と食べすすむ。

紙ナプキンに染み込むバター。ハムの脂がおいしい証

ザルのお皿に敷いた紙ナプキンにバターがしみ込み濡れている。おいしかったという証。

ミルクがアイスコーヒーに絵を描く

アイスコーヒーはおだやかな味。乳脂肪分たっぷりのミルクを注ぐとしばらく氷にまとわりついて、ゆっくり混ざってコクを出す。良き空間に良き空気、良き食べ物に良きコーヒー。これでたったの650円というのがなんだか申し訳なくなるありがたさ。
ボーンボーンと柱時計が時間を告げる。それを合図においとましましょう…、オキニイリ。


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