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築地の焼売、銀座の焼売。幸軒に江戸中華よし町

築地で朝食。幸軒にやってくる。

インバウンドさんで溢れる通りから路地をちょっと入った小さなお店。
カウンターだけ。元気なおばちゃんと寡黙なおじちゃんふたりでやってるラーメン屋さん。
チャーシューとシュウマイがおいしいのが人気で、その両方の盛り合わせにご飯とスープがつく「盛り合わせライス」も人気の商品。
それにしようかと思うもここのチャーシューはラーメンスープを吸って本領発揮するからチャーシュー麺にシューマイ2個を追加する。

シューマイはすぐやってくる。
ゴロンと大きく不恰好。生地はほとんど存在をなくし、ベールをまとったひき肉団子って感じでなんとも色っぽい。

割ると中に白い何物かが混じってて、これは玉ねぎ。
シャリシャリしていて甘くて肉の食感、味わい引き立てる。味はしっかりいついていて芥子だけで味がととのうオゴチソウ。

チャーシュー麺がやってくる。麺をすっかりチャーシューが覆ったさまに、あぁ、これこそチャーシュー麺だよなぁ…、ってうっとりします。

豚バラ肉をロール状に巻いて炊き上げたチャーシューを分厚く切ってズラリと並べてる。
ぱっと見7枚あるけれど重なったのもいくつかあるから数えることをあきらめ食べる。
むっちりふっくら、熱いスープで温められた脂がとろり。焦げた醤油の風味に繊細な旨みが混じってとろけてく。

麺は硬めでスープは生姜の香りが強い。ネギの辛味とザクザク感と丼の中のすべてがチャーシューをおいしくさせるためにある。
スープと共あるチャーシューも、チャーシューと共にあるスープもそれぞれベストの状態。絹さやの緑の香りもよきアクセント。
肉でお腹が満ちました。


銀座の町を歩いていておいしそうなお店を見つけた。
「江戸中華よし町」。

入り口の横に大きな窓があってそこから厨房を覗き見ることができるんですネ゙。窓のすぐ内側に大きなせいろが積み上げられてて蒸気がもうもうあがってる。
開店時間のちょっと前。仕込み中の調理師さんと目があったら、会釈しながらニッコリとする。
いい雰囲気だなぁ…、と思って開店時間を待って入った。

厨房を見渡すことができるカウンターの席をもらってメニューを見ると麻婆豆腐の定食か焼売定食だけの2種類。湯気に惹かれてやってきたから焼売定食を選んでたのむ。
蒸し器の他に大きなコンベクションオーブンが置かれてて扉を開けるたびに蒸気が噴き出し景色がけむる。ワクワクしちゃう。

花町に所以ある店。
丁寧な説明を読みつつ待ちます。
水曜日から土曜日までの週4日だけのランチのようです。
週末ランチはコースだけ。手軽な定食が食べられるのは水木金の3日限定。
ラッキーでした。
調理場に2人。一人が蒸し物を担当しもう一人が麻婆豆腐をひたすら作る。その作り方がとても丁寧。おいしそう。

焼売定食にも麻婆豆腐がついてくる。
焼売8個。そば猪口みたいな器に麻婆豆腐、小鉢は鶏胸肉のよだれ鶏。ザーサイ、青菜の漬物、スープにご飯でひと揃え。

この焼売がなかなかおいしい。
なにをつけずとも十分味が整っていて生地は薄皮。トゥルンととろける。豚ひき肉の中にあら目に切ったネギかなぁ…、あるいはクワイ?シャキシャキとした食感がひき肉餡のホロホロ感を引き立てる。

よだれ鶏のタレで焼売を食べるのもおいしいですよ…、というので試す。
麻辣味のタレをからめた焼売は豚の脂を甘く感じる。
芥子醤油で食べると酸味が肉のうま味を膨らます。とはいえやはりそのまま食べておいしい焼売はそのまま食べておいしさたのしむ。

小さな器の麻婆豆腐もご飯の上に移すと案外量があり、うれしいおどろき。しかもこれまたおいしいのネ゙…、いたずらにうま味を強調しない仕上がりで痺れも辛味も最初はほどほど。ところが食べ続けるとあとからあとから辛くなって舌がヒリヒリしてくる。とはいえ嫌な辛味じゃなくてご飯を甘く感じる味わい。
しかも豆腐のなめらかなることとろける如し。

コンベクションの中で蒸して仕上げたスープもよかった。生姜の香りと野菜の風味、上等なスープのうま味が混じり合う。
値段以上の価値あるゴチソウ。オキニイリ。


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