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羽田の朝の Hitoshinaya

ひさしぶりの空の旅。
コロナ以降、出張で飛行機にのる機会がなくなっていた。
一度だけ父の七回忌をかねてタナカくんのお母さんにも会いに行ったのが3年近く前のこと。
今日は出張でJALを使った。つまり第一ターミナルから出発の朝。
北ウィング側のボディーチェックのゲート前にある「ひとしなや」にて朝ご飯。

あさごはん、どんぶり、十割そばの専門店が3軒並んで「ひとしなや」。
自信のひと品だけで勝負しているという意気込みがおいしい予感をさせるのがいい。
とは言えもっぱらボクは「あさごはん」を食べてて、丼、蕎麦は未食ではある。
朝早くからやっているのは「あさごはん」の店だけだからしょうがないといえばしょうがない。

コの字型のカウンターだけ。中に厨房。入り口正面に羽釜が置かれて、出汁の香りが鼻をくすぐり食欲湧かす。
お店の造り、そして雰囲気は開業当初からずっと変わらず。ホッとする。

席につくとお冷のグラスと出汁の入った陶器のカップがコトリと置かれる。
出汁がおいしい朝ご飯…、っていうのがテーマで、それでお茶の代わりに出汁がでる。
しかもこれがおいしくって、朝のお腹が動きはじめるオゴチソウ。これを真似するお店が次々できたほどにインパクトの強いサービスでした。

メニューがちょっと変わってた。
以前は焼き鮭がメインの御膳とお粥の定食の2種類だった。お粥が安めの値段で、それでか多くの人がお粥を食べてた。
今は鮭膳、白粥膳、茶漬膳の3種類。
どれも値段は同じで1800円。
お粥、茶漬けのおかずがかなり充実してて、今日は白粥膳をたのんだ。

そう言えば開業当初からずっと変わらずいるスタッフが今も元気でいるステキ。

4つ割りの木箱が2つ。
それぞれ料理が4つ収まり都合8つの料理が並ぶ。
蓋付きのお椀にご飯とわかめとなめこの白味噌の汁。
味噌は甘めでなつかしい味。

料理はどれも作り置きではあるけれど多彩でしかも味わい丁寧。

水気を切った木綿豆腐に出汁ポン酢。大豆の香りが力強くて味わい深い。
ニシンのみりん干しに大根おろし。
焼いたネギをベッドに鶏のきじ焼き。粒マスタードが塗られて味わいクッキリとして力強くてご飯がすすむ。
小松菜のおひたしは出汁がおいしくそれまで飲んじゃう。

甘辛に煮た茄子におからに卵焼き。大根、きゅうりにゴボウの浅漬でひと揃え。朝からいろんな料理をこうして食べられるのって本当にシアワセ。ありがたい。

おかゆはぽってり。お米のポタージュみたいな食感。ほのかな塩味でそのまま食べるとお米の香りを感じておいしい。

添えられている銀餡もおいしいのネ…、さすがに出汁に自信のある店。

出汁の香りが濃厚でうま味ふくよか。醤油の風味で出汁のうま味にクッキリとした輪郭が付き、お粥をおいしくしてくれる。
ご飯のお供が3種類。

タラコの煎り煮に極細切り干し大根の煮物、高菜の漬物。どれも味がしっかりしていてお粥がまるで足りなくなっちゃう。うれしい悲鳴。
旅立ち前のよき腹ごしらえ、ありがたい。
それにしても空港の搭乗手続きやチェックイン、バゲッジチェックのシステムがこの3年ですっかり洗練されているのにびっくりしました。浦島太郎でござんした。


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