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イタリアでもなくフランスでもなくスペインの料理…。

スペイン料理を食べたいなぁ…、と思った。
フランス料理ともイタリア料理とも違った素朴なんだけど素材の持ち味を活かした力強くて華やかな味のスペイン料理。

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銀座の「エスペロ」にやってくる。
昔は銀座に二軒あった。2年ほど前。みゆき通りのこの店のリニューアルを期にガス灯通りにあったお店は閉店した。その店にはよく行っていてちょっと寂しくはあったけど、新装なった店はキレイで居心地よくてオキニイリ。
前菜、メインをそれぞれ5つの料理から選べるランチ。前菜を一つ追加して3皿ランチにしてたのむ。

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まずガスパチョ。
トマトにニンニク。すりおろした野菜とパン。スープというより飲むサラダ。軽くぽってりした喉越しにカリコリ奥歯で潰れるキュウリがよきアクセント。それにしてもオリーブオイルってなんておいしい食べ物なんだ…、ってウットリします。

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マッシュルームを逆さにしたような形のパンがお供に来ます。頭の蓋のような部分をペリッと剥がす。ここが一番おいしいところ。だから最後に残して食べる。
あったかい前菜はいつもたのんでしまう炒り卵。

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スクランブルエッグというには卵がチリっと散らかっておらず、オムレツと呼ぶには壊れて不恰好。ただこの愛らしい様がオキニイリにて、しかもおいしい。

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ふっくらとした卵の中にはトマトと季節の野菜が閉じ込められてる。今日はそら豆。ホツホツとしたそら豆独特の食感に青い香りがおいしくて今日もニッコリ。それにしてもこれだけ卵をふっくらしっとりさせるって、どれほど油を使ってるんだろうと思うもすぐに忘れちゃう(笑)。

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メインにカジキマグロのバスク風の煮込みをもらった。
注文するときに「トマト味の料理なの?」って聞いてみた。
そしたら、トマトも使っておりますが、とにかくお魚の出汁がおいしい料理なんです…、と。
それでワクワクしながら注文をした。
小さな土鍋でクツクツ小さく沸騰しながらやってくる。
食べる前からおいしい魚の匂いがただよう。

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深い赤茶のソースは若干とろみを帯びて、長方形に整えられたカジキの肉にジャガイモ、パプリカ。煮ている際に砕けたジャガイモが軽いとろみの正体でした。
そしてソースの味といえば、トマトの酸味や野菜の甘み、ハーブ野菜の香りも感じる。けれど確かに魚のうま味がベースをどっしり支えてる。

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しかも濃いのです。ギューッと濃縮されていて、ならば塩辛いかというと塩梅はよくほんのひとすくいを舌の上にのせただけで、あとからあとからおいしい魚のスープの味が舌の中から湧き出してくる…、そんな感覚。
カジキマグロはホロッと崩れ軽い酸味が印象的。なによりおいしいのがジャガイモで、ソースをたっぷり吸い込んでしっとりなめらか。崩れてとろける。日本の魚の煮付けといえば大根と一緒に煮るというのが相場だけれどなんでジャガイモと煮付けないんだろう…、って思ったりした。オモシロイ。

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ペリッと剥がしたパンの頭を最後にかじって、口の隅々に残るおいしいソースの余韻をぬぐい取る。

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〆に冷たいカスタードクリーム。なめらかな甘みとバニラの香りで午餐の幕引き。オキニイリ。


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