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儚くも優美なるウィンナコーヒー

ちょっと歩いて「斎藤コーヒー店」にやってくる。

タナカくんのオキニイリだった看板の髭のおじさんは今日もダンディー。ゴキゲン顔でコーヒー飲んでる。
先日、ここのことを書いたらウィンナコーヒーが絶品です…、って教えてくれた。
それで今日はそれにする。

コーヒーのカップに注いで上にたっぷり生クリームをのっけて完成。
その生クリームの量が圧倒的でニッコリします。
壊さぬように崩さぬように、そっとテーブルに運ぶ間もコーヒーの熱でゆっくりクリームが溶けていく。早く写真を撮らなくちゃ…、って思いながらもオキニイリのテーブルにまず座りたくってちょっと歩いた。

そのほんのちょっとの間にクリームの山が半分ほどになっちゃって山というより丘になる。
パチリと写真を撮ってまずは生クリームをスプーンですくって舌にのっける。これが上等。なめらかにして乳の香りがふわっと鼻から抜けていく。甘みはほのかで口溶けもよく思わずうっとり。

スプーンをカップに沈めた途端に中身が溢れてカップを汚す。ソーサーも一緒に持ち上げズズッとすすると、生クリームの間から熱いコーヒーが口の中へと流れ込む。
苦味のしっかりしたコーヒーです。香りも華やか、しかも熱々。口の中で生クリームと混じり合いミルクコーヒーのようになって舌の上にしばらくとどまる。

おいしいなぁ…、なめらかにして力強くて、しかも後口すっきり。
コーヒーに砂糖を沈めていたのでしょう。飲んでるうちに徐々にコーヒーが甘くなってく。
最初はひんやりしていた生クリームの温度が徐々に上がって溶けて、コーヒーの上に浮かんでく。量はたっぷり。だから最後の最後までコーヒーに蓋した状態。それも贅沢。

オキニイリの革製の椅子もうれしそうにしてました。


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