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ゴールドベルグ変奏曲とフレンチトースト
銀座ウエストで朝にしました。
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今日はフレンチトーストを食べるんだ…、って起きたときから思ってて、思った途端に気持ちがウキウキ。電車の中で気持ちが小走りしていたほど。
昔はなかったように記憶する。
タナカくんと来ていたときにもあったのかなぁ…、いつもサンドイッチやシュークリームをメニューも見ないでたのんでいたから気づかなかっただけなのかも。
今年に入ってはじめて食べて、タナカくんに食べさせてあげたかった…、って強烈に思ったオキニイリ。
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テーブルにつきフレンチトーストとコーヒーをお願いします。
まずコーヒーが運ばれて、一緒に銀器のシュガーポットや小さなピッチャー。ナイフフォークに薄荷の香りの熱いおしぼり。
ここのナイフフォークのサイズがステキ。
小さいんです。ケーキ用のナイフとフォーク。女性の手にほどよいサイズ。
これからやってくる料理は力を入れなくても切り分けることができるやわらかさ。口を大きくあけなくても召し上がることができますよ…、ってメッセージ。こういうナイフフォークに比べれば、威張ったサイズのナイフやフォークは食べる道具じゃなくて武器のように見えてしまって無粋に感じる。
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コーヒーをひと口、二口。あぁ、おいしい…、ってホッとした頃合いでフレンチトーストがやってくる。
おいしい香りにウットリします。
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焼けた小麦に油の香り。卵の香りや粉糖の甘い香りも混じってすでにおいしい。こんがり焼けたパンの断面、バターでしっとり濡れてつややか。パウダーシュガーが表面白く彩って目のもおいしい。
いただきます!
フランスパンを使って作ったフレンチトースト。
分厚くて大ぶりのものが3切れ重なりあってお皿を飾る。
食パンに比べて空洞をたっぷり抱いて焼き上がったフランスパンです。ナイフはあっけないほどスッと入って端の硬いところでしばし抵抗するけれど、力を入れずとも切り分けられる。
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まずはそのまま。ディップ液をたっぷり吸い込んだ生地はズブっと潰れ、ほどよき甘みとパンそのものの塩気ですでに十分おいしい。
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メープルシロップを注ぐとゴクゴク飲み込む。舌に乗せると自分の重さで潰れていくよう。芯の部分はまるでプリンのようになめらか。周りの部分はさっくりとした歯ごたえがあり、けれどやわらか。ちょっとムチッとした食感がたまらなくいい。
静かな情熱とでも言いますか。
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おりしもBGMはギターが奏でるゴールドベルグ変奏曲。端正に整っていて静かにそして淡々とつむがれる音が不思議なほどに情熱的に心かき乱す…。
ここのフレンチトーストはそういう味わい。コーヒーの明るい酸味と相性ぴったり。お腹の中から心までもがあたたかくなる。オゴチソウ。
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