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黒焦げトースト、いとおかし

新宿御苑の喫茶店「キクヤ」で朝。

家から新宿三丁目に向かうちょうど途中にある店。
気にはなっていたけれど、あまりにしおれた外観になかなか入る覚悟ができず、先日やっと勇気を出して入ってみた。
そしたらこれがなかなかステキで、たちまちオキニイリになったお店。
ひさしぶりに来てみたら、ストリート看板が真新しくて、新調したのかなぁ…、って思う。

それで思わず写真をパシャリ。
腰をかがめて写真を撮って、勢いつけて立ち上がったらクラッとしました。まだまだ本調子にはほど遠い。
入り口近くが禁煙席。

禁煙席の横が厨房で奥が喫煙席という作りの店で、今日もタバコの匂いがしない。奥ではおなじみさんたちがおしゃべりしながらタバコを吸っているのに煙が禁煙席まで流れてこない…、っていうのがステキ。ありがたい。

トーストにゆで卵だけのAセット。ハムエッグにサラダにトーストというBセットがオキニイリにて、今日もそれ。トーストはよく焼きでってお願いし、アイスコーヒーをお供にもらう。

卵が焼ける匂いがしてくる。
音はしない。ジリジリじっくり焼き上げられているのでしょう。アイスコーヒーがまずやってくる。
手作りの布製コースターにガムシロップにミルクのピッチャー。チェーン店にはないステキ。
アイスコーヒーを持ってきてくれたご主人が「トーストはちょっと焦げたくらいがいいですか?」って聞く。「焦げたのが好きなんで思いっきり焼いてください」って答えて待った。

パンが焦げる匂いがしてくる。
あぁ、焼けてるなぁ…、って思っていたら「本当に焦げちゃいましたがいいですか?」ってご主人が恐縮しながらやってくる。
お皿の上のトーストは見事に黒コゲ!
「焼き直しましょうか」というご主人に「生焼けよりも焦げたトーストが好きなんで」と答えて受け取る。
それにしても堂々とした焦げっぷり(笑)。
焦げただけでなくバターをまとってツヤツヤしてる。なんだか元気が出そうな景色。

まずサラダ。レタスにキューリ、トマトをむしゃむしゃ食べてお腹を潤して、さぁ、トーストをとちぎってひと口。
あぁ、苦い(笑)。やはりお焦げは苦くって、けれど苦いだけかというと噛んでるうちに甘みがどんどん広がっていく。パンそのものの持ち味は焦げても決してなくならず苦味がむしろ甘みを引き立てそれもおいしい。

卵焼きにはケチャップたっぷり。ハムを焼いたところに溶いた玉子を流して包んで焼いてる。
平たいオムレツみたいな仕上がり。それをひと口分切ってひと口分のトーストにのっけて一緒に食べると苦味がやわらかくなり、しっとりとした玉子の食感が乾いたトーストのザクザク感を引き立てる。

トーストをひっくり返すと裏側はボクが好きな焼き加減。よく焼いたためパンが水気を吐き出して、乾いて芯までサクサクしているところがおいしい。顎も使えてこれもよし。

アイスコーヒーにミルクをたっぷり。

ガムシロ注ぐとほどよく混ざってコーヒー牛乳味になる。お腹をちょっと甘やかす。


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