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白いヒレかつ、手打ちそば。どちらも専門店の味

神楽坂にオキニイリのお店がある。

「神楽坂山せみ」という名前で、オキニイリのそば屋でもあり、オキニイリのとんかつ屋でもあるというステキなお店。
先日は先を急いでそそくさ食べてじっくり味わうこともできずに席をたった。
あらためてじっくりたのしもうとやってくる。
週末のお店はにぎやか。ご近所さんに加えて神楽坂探索のシニアさんたちが集まりお店はいいムード。
ランチセットは全部で5種類。

タレカツ丼にカツカレー丼、ヒレかつセットに小天丼、親子丼と丼中心。冷たいせいろか熱い花巻そばを選んでセットにできる
オキニイリはヒレかつセット。冷たいそばを選んでたのむ。

「そば」「とんかつ」と白い暖簾に並んで書かれているとおり、そばにフォーカスするとそば屋のそばがしっかり写り、経木を敷いた網に盛られたヒレかつは上等な専門店のとんかつのよう。

なによりヒレかつがすばらしい。
低温の油でじっくり時間をかけて仕上げたヒレかつ。
だから色白。
パン粉は花を咲かせたように揚げられていて、肉の断面は明るいロゼ色。
肉汁が滲み出してくるみずみずしさにニッコリします。
塩でも召し上がってくださいと岩塩が用意されてて、パラリちらしてひと切れ食べる。
クチュっと潰れる肉感的なる食感に、繊細な旨みに甘み。油の香りにパラッと揚がったパン粉が散らかりとろける肉にまとわりついて消えていくのに、もうウットリ。
ロースじゃなくてヒレというのが粋でいい。脂の旨みや風味を味わうロースより、脂控えめで味わい繊細なヒレのほうが繊細なそばの味わい、風味に合うのでしょうネ…、ありがたい。

トンカツソースに大根おろしとポン酢、太陽ソースも用意されてる。ヒレの繊細な持ち味を引き立てるのは太陽ソース。スパイシーで酸味がくっきりした味わいが後口すっきりしてくれる。

端正な蕎麦。みずみずしくて麺は角張り歯ごたえがよい。蕎麦の香りも華やかで、タレは甘めでヒレかつの強いうま味に負けぬおいしさ。麺の量が一人前の八割くらいもあるんじゃないかなぁ…、結構たっぷり。堪能できる。
そば湯はポッテリ。タレに注ぐとまるでポタージュみたいになってく。甘口だったタレの甘みが薄まって、代わりにうま味や酸味が顔をのぞかせお腹もやさしくあっためる。オキニイリです、オゴチソウ。


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