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おいしい結界の中で、オムメキ食べる、新橋の昼

新橋経由の移動の途中。昼を新橋「むさしや」にする。
駅前の大きなビルの一階にある、カウンターだけの洋食の店。カウンターの中は厨房。カウンターの前には椅子がずらり。7人座って満席という小さな人気店。
連日、一日、行列です。
店の敷地はあまりに小さく壁を作ると通路がとれない。それで壁の代わりにびっしり紐を垂らして目線を遮っている。ゆるやかな壁とでもいいますか。しかも入り口、出口も兼ねた壁。


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あたかもおいしい結界がはられたようで、執拗にまとわりついてくる真っ白な紐を浅野温子のように何度も何度もかきあげ体を忍び込ませるおじさんたちの姿がなんとも愛らしい。
オムライスがおいしいというので人気の店です。厨房の中ではずっとご飯を炒めるジャジャッジャジャッと湿った音が続いてて、卵が焼けるおいしい匂いも漂ってくる。
ただ、ボクがここで好きなのは「オムメキシカン」というここのオリジナル。

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ジャンバラヤを薄焼き卵でくるんだもの。
千切りキャベツとスパゲティーのケチャップ炒めを従えてケチャップそえでやってくる、その外観はオムライス。
ただ薄焼き卵から透けて見える中身の色がオレンジ色じゃなくって焦げ茶。こんがり焼けた玉子を破ると、中から顔を覗かせるのはカラメル色の炒めご飯。

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スパイシーです。味そのものはケチャップライスから甘みを引いて焦げた風味を足したよう。ただ後から後からヒリヒリするようなカイエンペパーの辛味がうねって押し寄せる。
お米はパラパラ。細かく刻んだ焦げたスイートコーンやチョリソ、玉ねぎ、ピーマンが混じって口がにぎやかになる。ケチャップライスと違って甘み、酸味が控えめな分、薄焼き卵の甘みや香りが引き立つ感じがなんとも独特。

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ミニハンバーグをトッピングする。ふっくらやわらかな合いびき肉のハンバーグ。デミグラスソースをたっぷりまとってオムメキシカンに肩寄せるように盛り付けられる。スプーンで一口大に切ると中からジュワリと肉汁。

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ハンバーグの横にはケチャップ炒めのスパゲティー。ねっとりやわらか、ポッテリなめらか。食べていくといろんな味が混じってく。ケチャップに甘酸っぱさに、デミグラスソースのコクと香ばしさが混じったり、ジャンバラヤ辛味がデミグラスソースと一緒になって一層膨らみ、深くなったり。お皿の上で新たな料理が生まれ続ける感じがうれしい。満たされました…、オキニイリ。


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