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佳きものでお腹が満ちるシアワセ

ひさしぶりの「ルモンド」。新宿西口の電気街にあるステーキの店。

カウンターだけ。オープンキッチン。メニューもハンバーガーなんかないステーキオンリー。正真正銘のステーキハウス。
開店前の行列につく。
開店10分前にして先客7人。9人で満席になるから8人目のボクは開店同時の一回転目にすわれる勘定。
待ってる間にお店の人がメニューを持って外にでて、ひとりひとりに注文を聞く。常連さんが多いのでしょう…、ほとんどの人がメニューを見ないでスラスラ注文。
ボクもスラスラ。「サーロインでご飯なし、サラダ大盛り、コーンスープをつけてください」と注文しました。
前で待ってた人たちが「お主やるな」って感じでふりかえる(笑)。そうこうするうちに開店時間がやってきて、お店に案内される頃には20人近くの待ちになっていました。

中に入るとそれぞれの席にシルバー類やサラダがすでにセッティング。ボクの席には大ぶりのボウルに入ったサラダが置かれて待っていた。

ここのサラダはしみじみおいしい。レタスだけ。植物油少々にレモン果汁のドレッシング。レタスの状態がいつも良くって、その持ち味を素直に味わう趣向がうれしい。
レストランとしての細やかな配慮が行き届いているのにいつも感心させられる。

例えばお冷のピッチャーにはレモンを入れてそれもこまめに交換してる。コーンスープもサラダを食べ終えるタイミングでやってくるのがありがたい。

コーンスープはほどよくポッテリ。甘み十分でしかも適温。お腹がしっかりあったまる。

そしてメインがやってくる。

ほどよき大きさ、ほどよき厚さのサーロイン。
炭で焼かれたステーキです。焼き目、焦げ目のうつくしいこと。

直火の遠火でじっくり時間をかけて焼き上げ、提供前に炭場の端ので休ませる。
焼いた直後の肉の内部はざわついていて、切ると肉汁が流れ出す。せっかくのおいしいジュースを口ではなくてお皿に食べさせることになるから休ませる。

おかげで切っても肉汁は出ずしっかり肉の中にとどまり、その断面は色うつくしくつやつやしていて盛り上がっている。肉汁を吐き出す準備ができた証。
食べるとザクッと歯切れてジュワリと肉汁しみだして、ネットリ奥歯にまとわりついてく。肉感的なる食感にウットリします。

ナイフづたいに手首が感じる肉の確かなたくましさ。ナイフを当てるとススっと肉の中へとすべりこみスパッと切れる。風味豊かなメンテルバターに醤油の香りがすっきりとしたサラサラソース。肉そのものの持ち味をひきたておいしくしてくれる。

サイドのフライドポテトはサクッと乾いた感じの仕上がり。サラサラソースをゴクゴク飲み込みとろけるステキ。キュッキュと奥歯をくすぐるような茹でインゲンはみずみずしくて、あっという間にお皿の上はキレイになった。

そう言えばこの店、鉄板を器として使わないから空気がキレイ。肉も脂よりも肉そのものを味わう趣向。佳きものでお腹を満たしたという充足感にニッコリします。
今日は七夕。ここのステーキが好きだったなぁ…、って思い出してちょっと泣く。


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