見出し画像

ミートボールのサンドイッチ

ミートボールのサンドイッチがある…、というので食べにいく。
イタリアにいくと牛モツを煮込んだのとか、ミートボールをソースと一緒にサンドイッチにして売る専門の屋台がある。
安くておいしい。
しかも手軽に腹一杯になって重宝するのだけれど、日本にはなかなかそういうサンドイッチを売る店がない。
それでいそいそ。

場所は丸の内のカリフォルニアン・イタリアン「A16」。
もともとミートボールが名物の店で、おいしい。
牛肉を使わず、豚肉とパン粉、あるいは砕いたナッツで作りトマトソースで煮込んで仕上がるふっくらタイプ。
ランチセットでメインに選ぶと3000円近くしちゃう料理が1000円以下で食べられる。これぞ、サンドイッチという料理のすばらしいとこ。
そのかわりに、入り口脇のバーカウンターでお金を払って飲み物もらって好きなテーブルについて待つ。
つまりちょっとだけセルフサービスというカジュアルさ。

10分ほど待ちましたから。
ミートボールのサンドイッチがやってくる。
お皿にバーガーバッグ。
上にどっしりサンドイッチ。
ふっかりとしたフォカッチャにソースと一緒にはさまれていて、食べると最初はパンがざっくり。口の中の水分を吸う。そこですかさずミートボールが崩れて中からソースや肉の脂がじゅわり。口の中でとろけるおいしさ。

パンの断面をみると気泡がたっぷり入って焼けてて、表面は粉まみれ。乾いています。
ヨーロッパに行くと多い唾液を一切合切持っていく系も痩せたパン。
日本人には不人気で、けれどみずみずしい具材を挟んでおいしくなるのはこうしたパンです。
かつてサブウェイサンドイッチがアメリカから日本に進出した当時、売り物にしたのはミートボールのサンドイッチでおいしかった。美味しかった理由は当時のパンが乾いて痩せていたから。
けれどそのパンが美味しくないということで、改良重ねてふっかりとした甘くて口溶けのよい日本人好みのパンにした。
途端にミートボールを挟むとベチャッとパンが濡れたようになり、それが名物として売られ続けることはなかった。
おいしいものとおいしいものを組み合わせればおいしい料理ができるわけじゃないんだよ…、って思ったりした。不思議なり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?