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改装をして空気がよくなる…、ってこともあるよね。魚や一丁

夜、友人と誘い合って「魚や一丁」にやってくる。

2年前の4月23日以降、夜の町が怖い状態が続いてた。タナカくんが逝く以前も、昼の街は1人で歩き、1人で外食をずっとしていた。
けれど夜は大抵彼と一緒でだから、1人で夜に外に出るのがちょっと抵抗あったわけです。
でも徐々に、ひとりであることに慣れていかなきゃ…、って思ってそれで誘ってもらった。
行くなら居酒屋。
お店の人との関係性がほどよく希薄なチェーン店から慣らしていけばいいやと選んでみたのがこのお店。
何年ぶりなんだろう…、改装されててボクが知ってる魚や一丁じゃなくなっていた。
板場を囲むカウンターをメインに河岸の食堂みたいな雰囲気。カウンターの中では刺し身が次々ひかれ素材を大切に扱っている…、って感じが伝わる。悪くない。

まだ居酒屋飲みに気持ちが向かずトマトジュースをお供にしました。
きになる料理をあれやこれやと。まずやってきたのが水なすのお刺身。

さっくり歯切れてみずみずしくてリンゴのような軽い甘さを感じるゴチソウ。オリーブオイルと塩で食べると味わい、香りが引き立つんだけど醤油とわさびと生姜で食べる。刺し身だからしょうがないよなぁ…、って思う。しょうがない。

じゃがバターの塩辛のせ。タナカくんが好きだった料理であります。蒸したじゃがいもにバターを吸わせてそこに塩辛。日本酒が飲みたくなるんだっていつも言ってた。なつかしい。

寿司に力を入れてるようでかなり充実した品揃え。
「あて巻き」っていう酒の肴になる細巻きを試してみました。
涙巻きの中くらいの辛さ。漬けのマグロに刻んだわさび。ほどよき辛さで食欲が湧く。

揚げ物ふたつ。
これもタナカくんが大好きだったするめの天ぷら。

衣の表面がザクザク乾いて仕上がって、噛むとジュワッと油がにじむ。そしてスルメのうま味や香りが口に広がりずっと噛んでいたくなる。

北海道の唐揚げ、ザンギをあわせてたのむ。

醤油ベースの甘辛ダレにしっかり漬け込みポッテリとした衣をまとわせザクッと揚げる。ボクの生まれた松山では唐揚げのことを「せんざんき」と呼ぶ。どこかでつながっているのかなぁ…、って思って食べる。オモシロイ。

実は貝の刺身を目的できた。ところが残念…、今日は貝の仕入れがなかったということで刺し身は我慢。代わりに焼いた魚を食べようと、鮭のハラスの一本焼きをたのんでみます。

長い皿からはみ出すほどの大きさで、脂がのってて口をひんやりさせるおいしさ。強いうま味と焦げた皮の香ばしいかおりがおいしく貪り食べた。
お腹をあっためるものを食べようと茶碗蒸しをたのんで分ける。

大きな丼にたっぷりで北海道の茶碗蒸しだから栗の甘露煮が入った甘い味じゃないかと思ったけれど味は普通で肩透かし。
ラーサラ用の麺を使った塩焼きそばは麺がゴリゴリ硬くて歯ごたえたのしくて、ホタテや野菜がたっぷり入ったなかなかの出来。

注文するたびホールスタッフを探して我慢強くまたなきゃいけないところを除けば、なかなか優秀。オキニイリ。


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