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朝ごはんはこれでいい!朝ごはんはこれがいい!

ひさしぶりに渋谷までくる。渋谷駅から道玄坂を上がって円山町をブラリと歩く。
円山町といえばラブホテルが並ぶしっとりとした大人の町としてずっと昔から知られてた。
ただ最近は気軽でおいしい店が集まる人気のエリア。
「裏渋谷」なんて洒落た名前で呼ばれたりする。
10年ほど前、タナカくんも一緒になってレストランを一軒作った町でもあって、今もそこには彼がデザインした看板がある。
競合しそうな店を探してふたりで歩いた通りをブラリとなつかしみつつ歩いていたら、朝からやってるお店を見つける。

「カフェブリュ」という名前。
ガラスの箱のような造りの明るいお店。おいしい匂いがお店の外までただよってきて、試してみようと思って入る。

居心地良さそうなテーブル席に厨房前のカウンター。カウンターの端の一席もらって落ち着く。
使い勝手の良さげな厨房。スタッフ3名。みんな女性で仕込み作業をキビキビこなす姿凛々しく気持ちいい。

朝の食事メニューはトーストセット、一種類。赤ワインならぬ「朝ワイン」なんて気の利いたメニューもあって、もうそれだけでファンになっちゃう。トーストセットをカフェラテお供に注文します。
まずはカフェラテ。

大きなカップにたっぷりと。
ブラウンシュガーの角砂糖がついてきました。

スプーンにのせてカップの底に沈め、空になったスプーンで泡をすくって食べる。

自然な甘み、ミルクの風味。エスプレッソの苦味がほんのちょっとだけ混じってほんわかあったかい。ススっとすするとかなりどっしりした味わいで、沈めた砂糖はまだ溶けてない。朝のお腹を目覚ますゴチソウ。

じっくり待ってメインが完成。

オムレツ、サラダ、そしてトースト。
朝ごはんってこれでいいんだよなぁ…、って思う。
日本的に翻訳すれば味噌汁、卵焼き、お新香、そして炊きたてご飯ということになるんでしょうね。
それらそれぞれがおいしければ、他に何も必要とせぬ贅沢な朝。思わずニッコリ。
ベイビーリーフに塩にヴィネガー、オリーブオイルをもみこんでしんなりさせたサラダを食べて、口やお腹をまず潤して、さてさてオムレツ。

ナイフをそっと添わせるとスパッと切れておいしい香りが噴き出し漂う。
玉子が流れ出すことはなく、と言って硬いわけでもない。ほどよくトロトロのスクランブルエッグを玉子で作った包装紙で包んで仕上げた…、って感じが見事でうっとりします。

バターをたっぷりのみこませ塩がほどよくきいていて、それそのもので味が整うプロの味。ケチャップなんて無粋なものは必要とせぬオゴチソウ。

トーストをひと口分だけちぎったところにオムレツのせて一緒に食べるとこれがおいしい。ざっくり壊れるトーストが玉子のとろけが混じって互いを引き立てる。
そもそもトーストがおいしいのです。

甘さをいたずらに加えるでなく、ふわふわでもなく噛みごたえのある良きパンをこんがり焼いてバターをたっぷり染み込ます。バターがこれまた上等でつまんだ指までおいしくさせる。

サラダにオムレツ、トーストを全部お腹に収めてのんびりカフェラテを飲む。最初に沈めた砂糖がとけてラテは甘々。あったまる。


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