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渋谷トップのコッドロー

渋谷で朝。ひさしぶりに「トップ」に来た。

チョコレートケーキが人気のカ「トップス」じゃない。こちらは「ス」がつかない喫茶店の「トップ」。
看板に「新宿・渋谷」と書いてるように、かつて西新宿にもお店があった。
地下道に面した目立たぬ店で、携帯の電波も入らぬまさに隠れ家。自分をオフにするのに便利で、よく行ってたけれどビルの建て替えで閉店しちゃった。

渋谷のお店もクローズしちゃって、このままフェイドアウトしちゃうのかしら…、って心配したけど場所をかえてやってくれてる。
お店の家具は昔からあるオリジナル。いかにも昭和な喫茶店ってムードに再びニッコリします。好きな雰囲気。ありがたい。

ここは目的喫煙店。
前回来たときは、咳き込むほどのタバコの煙に辟易したけど、今日は空気がきれいでびっくり。
実は移転開業した当初は大型飲食店全面禁煙っていうガイドラインにしたがって禁煙だった。
その後、目的喫煙店が認められるようになって全席喫煙にしたらタバコを吸う場所を探してた人が大挙してやってきた。それが前回きたときだった。
今ではタバコが吸えるお店も結構増えて、今日は10人近くの人の中にタバコを吸う人が1人だけという、これがおそらく今の現実。オモシロイ。

コッドローってサンドイッチがオキニイリ。
コッド(タラ)のロー(玉子)を挟んで作ったサンドイッチ。
それで名前が「コッドロー」。
魚卵が好きな以上にこのネーミングがかっこよく、たのんでみたらすっかりハマってしまった一品。

マヨネーズとホイップした生クリームで、蒸したタラコの魚卵をあえる。
トーストした食パンでたっぷりそれを挟んでスパッと切り分ける。
魚卵ですからやわらかい。崩れやすくてそれをこうして見事に切れるってすごいこと。何度か作ってみたことがあり、いつも魚卵がパンの間からはみ出しちゃう。もしかしたらパンを切ってから魚卵を塗って、断面ととのえ仕上げるのかなぁ…、近々ためしてみなくっちゃって思いながらレモンを絞る。

魚卵の中には刻んだオレガノが混じっててそのさわやかな香りと一緒にパクリとひと切れ、齧って食べる。
サクッとトーストが壊れてそこに魚卵が混じる。そしてハラリと崩れてちらかる。その食感がなんともおいしい。

ほどよき塩味、タラコの旨み。焦げた食パンの香りと混じってとろけ、とろけながらも魚卵が始終、プチプチ爆ぜて口をくすぐる。なんとも独特、そして絶妙。誰がこんな料理を考えたんだろう…、って食べるたびに感心します。オキニイリ。
アイスコーヒーをお供にします。

甘く仕上げたコーヒーにミルクを注ぐ。乳脂肪分の多いミルクでしばらく氷の上にただよいゆっくりグラスの底に向かって落ちる。混ざるようでいて混ざりきらないその状態を、グラスに口つけゆっくりと飲む。

そしてのんびり…、お腹の中に朝がくる。


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