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田舎のおでん、銀座のおでん②

「おでん」ってふたつの世界に分けることができると思う。

「料理屋系」と「屋台系」。
昭和の東京の町にはおでんの屋台がたくさんあった。
ボクが仕事で通った水道橋の駅東口に、夕方になるとおでんの屋台がいつも出ていて、出汁の匂いに混じってコップ酒の匂いが周りに漂っていた。
ラーメン屋台は飲んだ〆。
おでん屋台は一軒目。
夜のはじありと終わりを屋台で過ごすことも出来たほのぼのとして自由な時代。
今はめっきり見なくなった。

おでんはうどんのお供、あるいは駄菓子感覚で食べるものだったボクにとって、東京のおでんの世界はまるで違ったものでした。
なにしろ「おでんで接待」ができるということを知って仰天したのがボクが20代半ばのこと。
その年にして料理系おでんの最高峰の店を知ってしまったのです。


銀座のおでん屋さんのドアは静かに厳かにあく

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