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月命日に肉を焼く…。

今月の月命日には肉を焼こうと思って「長春館」。

タナカくんと最後に食べた焼肉です。
2020年は春が遅くて、花見に行った新宿御苑でブルブル震えた。花見のあとにいつも行ってたそば屋がコロナでお休みで、代わりに来たのがこの店だった。

昔は毎日ランチがあった。コロナ以降は週末、祝日だけ昼営業。
人気があっていつもは開店前から人が待ってる。今日は冷たい雨のせいでさすがに行列はなし。ひとりでのんびり待ってると、ダクトが動きはじめておいしい匂いがお店の外に流れ出してく。
さぁ、食うぞってウズウズしてくる。

ひとり用のカウンター席。まずは炭がやってくる。
使い込まれた炭鍋がステンレスの器に収まりトレイの上に載せられている。真っ赤に焼けた炭に網。炭の香りに顔焼く熱さ。上手に焼いてやろうと気合が入ります。

サラサラとした醤油のタレに唐辛子味噌。
この唐辛子味噌が大好きでネ。辛味も塩味も強いから腎臓を悪くしてたタナカくんには毒なのに、たっぷりのっけるようにつけて食べてた。スプーンじゃなくて小さなコテですくってとるのが合理的。

今日のメインはミックス定食。

ハラミと国産カルビが50gづつ。どちらもタレで揉まれてツヤツヤ。刻んだ青ネギをパラリとちらして彩りもよい。
サンチュのサラダに白菜キムチ。もやしのナムルが弁当箱に詰め込まれ、ご飯にわかめスープがついてひと揃え。

ハーフサイズの肉が追加でたのめるところがありがたく、タレで揉んだハチノスたのみ、スモールサイズの冷麺でカウンターの上はにぎやか。食べる準備ができあがる。

ハチノスが好きだったなぁ…。
焼肉屋さんでは必ずたのむオキニイリ。
大久保の韓国食材屋さんで買ってきては、何度も何度も煮こぼして臭みをとってやわらかくして…。
もう台所はすごい匂いになるんだけれど、タナカくんが作ってくれるハチノスのカツレツやトマト煮込みは最高においしかった。
なつかしい。
ハラミは分厚く切り分けられてて、表面こんがり焼き上げる。
カルビは脂が強くて焦げやすく炭が遠くにある場所を選んで網にのっけてじっくり焼いていく。
丁寧に焼きタレにくぐらせパクリと食べる。
クチャっと潰れる肉の食感。体のすみずみに元気と滋養が行きわたる。
そしてハチノス。蜂の巣状にできた凸凹の尖ったところが焦げてサクサク、噛むとムチュンととろける食感。食べるとやっぱり泣いちゃうネ。

ここの冷麺は本当においしい。
ミニサイズだけど具材たっぷり。白菜キムチにキャベツのキムチ、薄切りにしたきゅうりや大根の酢漬けに蒸した鶏の胸肉。茹でた玉子が半分に小さなトマト、パイナップル。刻んだ白ネギ、松の実と器の中はとてもニギヤカ。

中でもむしった蒸し鶏がしっとりふっくら、スープを吸ってしみじみ旨い。
スープはきれいに透き通っていて味わいどっしり。コクがあるのに後口スッキリ。お酢を使わなくてもたっぷりのったキムチや酢漬けで味がしっかり整っている。麺はツルツル、しかもゴリゴリ、歯ごたえたのしい。

焼いたハチノスをのっけて一緒に食べると麺にむっちりした食感が混じってなんとも肉感的なるオゴチソウ。冷たいスープ…、なのにゴクゴク飲めばお腹があったまる。オキニイリです、オゴチソウ。


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