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ヒラメのボンファムと一緒に銀座の空を回る!

上等な料理で疲れた気持ちを癒したい…、と有楽町で思うと選んでいたのが銀座スカイラウンジ。コロナの直前に利用して直後にバタバタしちゃって日記にしていなかった画像をもとに思い出し出し、例えばこんな昼でした。

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東京會舘が運営しているレストラン。有楽町の駅前にある交通会館の最上階。円盤状の構造物が丸ごとお店で、小一時間かけてぐるっと一周する。
窓の外に変わる景色を眺めながら優雅に食事を…、という施設は今や絶滅寸前。

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「ニューオータニの上も回らなくなっちゃいましたねぇ」ってお店の人に言ったら「都内ではもううちだけになりました。毎月の点検のたびにはらはらします」って。
都心のビルの15階。眺望をたのしむだけならもっと高くて、眺望のひらけた施設がたくさんできた。けれどビルが間近に迫ってくる「街を感じる」ことができるほどよい高さ。東京駅から新幹線がヌルリと走り出していく姿であったり、丸の内越しに見える皇居と東京らしい景色という点ではこの場所、ピカイチでしょう。

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できたのが60年ほど前。ちなみに住所は有楽町だから、銀座スカイラウンジという名称はいささか勇足的。昔、このビルが完成した直後、銀座方面から円盤状のレストランが飛んできてビルの上に着陸して今に至った…。
つまりここは銀座の飛び地なんだとボクは思い込むことにしてございます(笑)。

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ボクはここのサービスが好き。
サイドテーブルに必ず料理をおいてやすませ、料理を提供するほどよいタイミングを見計らって提供する。その様この上もなくうやうやしくて、上等な料理が一層上等に見えるステキにうっとりします。
そのうやうやしさにホッとできるからでしょう…、おじさま、おばさまたちが続々集まりやってくる。みんな笑顔が明るく空間がはなやかなお喋り声と笑い声で満たされていく。

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東京會舘のスペシャリテと言われれる料理が堪能できるコースを予約しておりました。
発泡水を一本もらい、それをお供に食事のスタート。
まず前菜。
燻製にしたタコとホタテのサラダ仕立てという一品。
一口大にちぎったレタスにカーリーリーフ。

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トレビスがふんわりまるでベッドのように装われ、とびこのオレンジが彩り添える。
燻製にしたタコやホタテのむっちりとした食感にパリパリポリポリ、破裂するような騒々しさが混じって食欲湧いてくる。

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それからコンソメ。
ビーフコンソメと奢りたかったところ、ランチはチキンコンソメのご用意でして…、とチキンコンソメ。
鶏のブロス独特のどっしりとした風味と旨味。酸味はほぼなく、ずっと口の中で旨味や甘味が持続するのがチキンコンソメ独特で、これもまたよし。お腹がほどよくあったまる。

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さて今日のメイン。
目当の料理が「舌平目のボンファム」。

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正統派フランス料理において、魚料理の代表といえば文句なくこの一品。
骨をキレイに取りのぞいた分厚い舌平目を一尾分。
下ごしらえしたところにソースをたっぷり流してお皿のままオーブンで焼いて仕上げる。
焦げ色のうつくしきコト。
皿までお熱うございますので…、とうやうやしくサーブされ、たしかにソースがまだクツクツと沸騰しているように見える。
濃厚なクリームの味わいにくっきりとした酸味、魚の出汁の旨味にバターの風味。さまざまな素材の味が幾重にも重なりどっしりとした味わいで、しかもぽってり。この上もなくなめらかに仕上がっている。
たっぷりのマッシュルームにエシャロット、ハーブ野菜が混じって魚にまとわりつくのがたまらない。

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舌平目もおいしい。ふっくらしていて縁の部分はヒレの名残なんでしょう…、ゼラチン質がムッチリとろける。
けれどやはりソースがおいしい。すごく上等なマヨネーズを焼いてすごく贅沢なグラタンを作りました…、って感じといえばいいですか。とにかくおいしい。クラシックなフランス料理はソースを食べる料理といわれる。まさしくこれはソースの料理。

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サイドに用意されたパンは、ひとつがロールでひとつがバゲット。バターがたっぷり添えられて、この変わらぬ姿がいかにも東京會舘的。バゲットの硬い表面をちぎって拝借。ソースをたっぷりからめて食べる。お皿がキレイになっていく。

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抹茶のムースとデミタスカップのコーヒーで午後のお腹に蓋をする。円盤もぐるり一周、こんな優雅とゆとりに満ちた時間が戻るときは来るのか…、ってしみじみします。オキニイリ。


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