見出し画像

未来の集客

日本橋に「COMMISSARY」っていう施設ができた。

画像1

カミサリーと言えば、外食チェーン用語で一次加工するセントラルキッチン的な場所。多店化する際に、カミサリーを持つか持たないかで成長戦略がまるで違ってしまうから、経営者としては決断のしどころ…、と言われたりしてた。

画像2

そんなものものしい言葉が店名の、ここはどういう場所かと言えばメディア曰く「おしゃれすぎるフードコート」…、ということらしい。
場所は小伝馬町として地味な街の裏通り。どの最寄り駅からも10分近くかかる上、周りに大型のオフィスビルがあるかと言えばそうでもない。
普通に考えれば集客に苦労する場所であります。

画像3

来たのは平日。ランチタイムも終わろうかという時間で、地味なオフィスビルの地味な入り口をくぐるとなんと!びっくりしました。お客様でごった返している。

画像4

エントランスから奥に向かって一直線にカウンターが並ぶフードコートのような造り。テナントはエスプレッソ専門店にベーカリー、ピザにタコスにクラフトビール。それぞれのテナントは専門店で、それらの料理をどう組み合わせても自由という販売方式もフードコート的。

画像5

このテナントミックスが絶妙で、それぞれがファンを持っている小さいながらも実力派ってお店ばかり。しかも夜のビールにランチ、テイクアウトに適したタコスにピザ。アイドルタイムを埋めるベーカリーにエスプレッソと舌を巻く。

画像6

しかも施設の造りがとてもおしゃれ。
インスタ女子がメインの客層。
お店に入るなり「かわいい」を連発しながら画像をパシャパシャ。
昔、業界視察で行ったアメリカで店に入るなりパシャパシャしていたコトをなんだか思い出す(笑)。
結果、宣伝せずとも拡散、共有でお客様が集まってくるという好循環。

画像7

代官山や青山で贔屓にしていたスライスピザが入っています。
商品構成は他のお店と同じだけれど、目の前でピザの生地を伸ばしてて、ベーカーオーブンも間近にある。

画像8

臨場感だけでなく焼き上がったピザも他の店よりバリッと底はクリスピー。熱々感があっておいしい。ひさしぶりにおいしいペパロニピザを食べたなぁ…、ってニッコリしました。

画像9

5軒の中でも一番の集客はベーカリー。意識高いっぽいパンに混じってフォトジェニックなドーナツがあり、それがバンバン売れていく。だって可愛くってしょうがないんだもん…、ってボクも一個、食後のたのしみ。
細かなグラニュー糖をたっぷりまとった揚げドーナツみたいな姿で、その天辺にホイップクリーム。シロップ漬けのチェリーがのっかる。

画像10

ちょっと硬めに感じる生地が口の中に飛び込んだ途端にとろける、とろける。思った以上に軽くてしかも口溶けがよく、中に詰め込まれたホイップクリームはほとんど甘みが無いからやさしい。
体に悪いに違いないのに、食べはじめると止まらぬおいしさ。もしこの世の中に「クリームドーナツの正解」というものがあるとするなら、それは絶対これなんだろう…、と思ったした。オキニイリ。

画像11

弱きものが集まって集団自衛をしているわけでは決してない。個性的なものが集まって互いをたよるわけでなく自分らしくあり続けること。それがこれからの集客のありかたなのかもしれないなぁ…、としみじみ思った。いい勉強。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?