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ふきのとうが春待ち顔の大河原の夜

東北新幹線で2時間ほど。白石蔵王の駅でおり、車で大河原の町行く。
「白河屋」という日本料理のお店で夕食。

今年はじめて会う人たちと、遅ればせながらの新年会。ひさしぶりにウィスキーハイボールを飲みました。
シーバスリーガルをソーダで割っただけのシンプルなハイボール。甘くて泡がジュワーッと喉をくすぐる感覚。おいしいなぁ…、ってニッコリします。
おまかせ料理の前菜は山菜をのせた豆腐にサッと煮上げたホッキ貝。煮付けたタケノコと食感、味わいほどよく多彩。

茶碗蒸しがやってくる。

蓋をあけると青のりを混ぜた銀あんが表面おおって香りがおいしい。

スプーンを入れて持ち上げるとなんと中に「たら菊」たっぷり。
東北の今の季節の美味のひとつのたらの白子がプルプル揺れる。奥歯で潰れてとろんととろけ、味わいミルキー。
体が芯からあったまる。

それにしても今日はあったか。
地元の人が、昼間はコートがいらなかった…、っていうほどで、防寒対策万全でやってきたからちと汗をかく。

次に刺身の盛り合わせ。

鯛にマグロに蛸が並んでやってくる。
ねっとりとした鯛の切り身、ザックリ歯切れるマグロの刺身。ピトッと舌に張り付くようで軽い酸味がおゴチソウ。

続いて揚げ物。

ふきのとうの天ぷらと海老真丈の盛り合わせ。
地元の人たちがふきのとうをみた途端、ワーッと小さく歓声上げて「春が来るんだね」って言ってた。暦の上ではたしかに春で、けれどまだまだ春遠し。
北国の人にとっての春は憧れということなのでありましょう。
ほろ苦くってサクッと口で壊れる食感。むっちりとした海老真丈と好対照で口の中が春になる。

サワラの塩焼きがそれに続いてやってくる。

塩がしっかりきいた仕上がり。添えられた大根おろしが甘くてビックリ。

ねぎまの鍋が小鍋でクツクツ。

普通ねぎま鍋といえばマグロの切り身とネギを出汁で炊いたもの。
けれどここのはマグロの漬けに粉をまとわせ唐揚げにし、刻んだネギと一緒にクツクツ炊いたもの。
マグロの唐揚げの油がツユにコクをだし、粉がとろけて汁にとろみがついていくのが独特でよい。

〆の食事は桜そば。

桜の花びらを粉末にして練り込んだ色鮮やかで桜の香りが鼻から抜ける春を呼ぶようなおゴチソウ。ひさしぶりのお酒で熱くなったお腹がすっきりするのがありがたい。


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