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神保町のキッチン南海。1時過ぎの贅沢

ひさしぶりにキッチン南海にやってくる。

神保町随一の商店街、すずらん通りのお店が閉業。若い人たちが暖簾を継承してできたお店でかつてのお店同様、人気があってにぎわっている。
かつてのお店があった場所。隣にあったおむすび屋さん。向かい側にはスヰートポーズって餃子のお店があったけど、それらまとめて今はない。
ここにしかないお店が次々閉業し、チェーンストアが目立つ通りになっちゃった。それでシャッター街にならずにすんでいるのはいいことなのかもしれないけれど、なんだかさみしい。
日本全国のさまざまな場所で起こってること。なやましい。
お昼時のピークはいささかせわしない。

それにピークが終わった1時からランチメニュー以外に単品メニューも注文できる。そこを狙ってやってくる人も結構いて、お昼休みが終わってもまだ行列です。
圧倒的に男性客、それもおじさん世代が多いなか、女性の姿もちらりほらりと。
待ってる間に注文をとる。「ヒラメカツは売り切れました」とエクスキューズ。限定数の人気メニューで、一度だけ食べたことがある。そのふっくらとした食感に強い旨味はさすが格別。ただそのヒラメカツをちょっと硬めにしたような味、食感のチキンカツがまたおいしくてカレーにチキンカツを追加する。

ランチタイムにはカツカレーがある。
チキンカツカレーはなく、単品のチキンカツも1時から。
だからチキンカツと生姜焼きの組み合わせがランチメニューでは定番なのだけど、今日はカレーも食べたかった。

カツカレーは千切りキャベツもカツもご飯も一緒の盛り付け。ご飯やカレーでしんなりとした千切りキャベツも味わい深くはあるのだけれど、単品メニューの組み合わせならカツは別盛り。

千切りキャベツはずっとシャキシャキ。カレーで疲れた舌をやすめる箸休めにもなってくれるのがありがたい。
ラード混じりで脂がうっすら膜を張るカレーは熱々。焦げた脂の香ばしさ、黒々とした色がなんとも力強くて迫力ある味、香りに風貌。ひと口目からヒリヒリ辛く、辛い上に熱々だから舌が焼けるようになるのをたのしむ趣向のカレー。

テーブルに用意されてるカイエンペパーをかけるとカレー自体の重い辛味に鋭く鮮やかな突き刺す辛味がくわわって、身体中から汗が噴き出す。オキニイリ。

そういえば神保町の洋食屋さんで好きなお店がグランと南海。ボクは南海が好きだったけどタナカくんはグラン派でどっちにしようか議論をし、結局決まらずふたり別々に贔屓の店で食べたことがある。
南海のチキンカツと生姜焼きの盛り合わせを食べながら、思い浮かべるのはグランのメンチカツと生姜焼き。
まるで集中できなかったよ…、って食後に会って話したら、ボクも同じ…、って言って笑った。一緒に食べるから一層おいしくなるんだよねってしみじみ思った。

チキンカツはふっくらとしてやわらかで、これも熱々。カレーを食べてチキンカツ。口を休めてカレーを食べて、千切りキャベツで口をリセット。それからカレーの繰り返し。お腹がしっかり満ちました。


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