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パーコー麺にナシゴレン、ジャーマンパンケーキ…、みんな半分

3回目の月命日の今日。彼だったら何を食べたいっていうかなぁ…、って思ってそれで「オリガミ」。

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キャピトル東急ホテルのコーヒーショップ。
ホテルが建て替える前には頻繁に来た。庭をながめるおおらかな空間に行き届いているけれどカジュアルなサービス。おいしい料理。かなり頻繁にジャイアント馬場さんがコーヒーを片手に本を読んでいたりして、東京にいるんだ!って実感を味わうことができる場所でもあった。

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建て替え中の仮店舗のとぼけた感じも嫌いじゃなくてたまに来たけど、要塞みたいなビルにホテルが入ってから、よそよそしく感じるようになってあんまりこなくなっちゃっていた。でも好きだったなぁ…、やってくる。
たのむものはいつも変わらず決まってた。ナシゴレンにパーコー麺。それぞれハーフサイズでふたつづつ。

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どちらもへんてこりんな料理なんです。インドネシアのナシゴレンとも中国のパーコー麺とも違った料理。ナシゴレンはバターの香り漂うピラフのようだし、パーコー麺のスープは上等なビーフコンソメ。

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本物じゃないと笑い飛ばすのは簡単だけど、この上もなくおいしくてここに来なくちゃ食べることができない料理。つまり本物。オキニイリ。

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ナシゴレンには醤油にサンバル。パーコー麺にはラー油に辛子、青白2色のネギがたっぷり。青ネギをに一味をたっぷりふりかけズルリ。ザクザク歯切れる麺は頑丈。ゆっくり食事をしたい外国からの人たちのためなかなか伸びぬ特製麺。脂をすっかり削ぎ落とした豚ロース肉はふっくらと、くわいの衣がサクッと歯切れる歯ざわりがいい。

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ナシゴレンはソテした玉ねぎが甘くてとても印象的。
ダイスカットの鶏胸肉にエビがゴロゴロ転がりだしてくる贅沢さ。
サンバルを入れると味がアジア的にはなるけれど、やっぱり上品で上等なピラフって味。
玉子が一個。
オーバーミディアムでお願いします…、って言ったら状態完璧で、そう言えば彼はここではいつもサニーサイドアップでたのんでた。
半熟の黄身をご飯にまぶして思う存分、食べてたなぁ…。

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そうか、ここでは二人で分け合ったのじゃなく、二人で同じものを食べたんだなぁ…、だからそれぞれが本当に好きな状態のものを食べてた。パーコー麺のネギも彼は白ネギだった。似ていたけれどやっぱり二人は二人じゃなくてひとりと一人。どれだけ違いを知り合って尊重しあって生きてたんだろう…、ってちょっと思った。

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そしてデザートにジャーマンパンケーキ。
深いフライパンで薄く仕上げたパンケーキ。端の部分がパリパリサクサク。真ん中にいくに従って厚みをましてクレープみたいな食感になる。シロップ煮にしたリングがたっぷり。バターを落としてメープルシロップかけて味わう。これだけ2人でひとつを分けていた。それで今日は半分残して〆とする。

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ちなみにボクらはこれを赤坂定食って呼んでいた。だってラーメン炒飯ホットケーキ付きと何ら変わらぬ組み合わせ。値段はちょっとにくらしいけど定食と呼ぶにぴったりの内容で、でも今日からこれはタナカ定食。また来ましょう…、と席をたつ。


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