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味だけがおいしさじゃない…。

日曜日。朝からちょっとたのしいたくらみ。
まず腹ごしらえをと、美鈴珈琲。
函館出身の喫茶店のチェーン。東京一号店がここらしい。この店がやってくるまで、ずっと「珈琲舎BUN」という店があった。
朝早くからやってた店で、煙り天国。朝の時間は近所の伊勢丹の催事の手伝いや、バイヤーさんたちに会いに来る人たちの時間調節の場としてかなり重宝されてた。
古臭い昭和喫茶の風情が濃厚な店で、そのクラシックで垢抜けしない空間で、モードな人たちがタバコをくゆらせくつろぐ景色が、あぁ、新宿だなぁ…、ってしみじみ。好きだった。
空間だけじゃなく商品も昔ながらを頑なに守っていたのが印象的。この店になってからというものそういう人たちの姿をとんと見なくなったのが不思議であります。

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お店はおしゃれなカフェ仕様。椅子も座り心地が良くなったし、なにより喫煙コーナーが小さくなって空気が随分おいしくなった。にもかかわらずいつも静かで、ある意味穴場。

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アイスコーヒーをたのむとメイソンジャーでやってくる。
おしゃれだけれどそもそも飲み物を飲むために作られている器じゃないから、口をつけて飲もうとすると、ねじ切った凸凹部分が唇をこすってなんとも不快。冷たい飲み物はストローで飲むもの…、という最近の風潮ゆえこれで文句を言う人もそうそういないのだろうと思う。
でも飲み物はまず唇で味わうべきもの…、とボクはやっぱり思うのです。グラスがひんやり唇にあたって冷たい予感をくれる。グラスの厚い、薄いで気持ちの準備は整うし、浮かんだ氷が唇をなでるなめらかな食感もストロー使えば味わえぬもの。なのにコーヒーにこだわっているという、コーヒーの味は味覚以外にもいろんな要素が組み合わせできるのにね…、って思ったりする。

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朝のサンドイッチセットをもらう。
チーズとハムのサンドイッチ。
クロックムッシュ的な姿で、食べやすいようにと、袋に包まれやってくる。
ナイフで食べやすいように切り分けてくれればバーガーペーパーなんかに入れなくたって食べやすいのに、もったいない。

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サイドサラダがついてくる。レタスの上に刻んだトマトやキュウリ、パプリカがちらばってくる。ただレタスをめくると下はほとんど千切りキャベツ。サラダにおける千切りキャベツって、パフェにおけるコーンフレークスみたいな存在。嫌いじゃないけど、なんだか損した感じがしちゃう。

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サンドイッチはチーズもハムも安いということしか特徴の無いもので、食パンはふっかりタイプ。もっさりしていて噛むとペトっと上顎あたりにはりつく感じ。何気なくひっくり返してみると裏は焼けてなかった。
ステンレスのトレイにのせて焼いたのでしょう。そうしないと溶けたチーズでトースターのヒーターが汚れてしまうからなのでしょう。パンがこんがり焼けてさえ入ればもっとおいしくなったのになぁ…、これまたなんとももったいない。
どうしたらおいしく食べられるだろう…、と思ってレタスの葉っぱをはさむ。もっさりとしたパンの食感にシャキシャキとした歯ざわり、歯ごたえが加わってほどよきおいしさ。朝が来た。

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