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鰻屋さんがアップルパイのお店になった…。

新宿駅の西口改札からちょっと歩くと飲食店が並ぶ地下街。
人通りが一日多く、商売をするにはいいエリア。
ずっとオキニイリの鰻の専門店があったのだけど、人手不足と後継者不在のダブルパンチで廃業、撤退。
その跡地に何ができるのかと思ったら、アップルパイの専門店が店を構えた。
そしてコレが一向に流行らない。

そもそも日本人てそんなにアップルパイが好きなんだろうか…、ってまず考える。
好きな人もいるかもしれないけれど、ならば「鰻の蒲焼やうな重」よりもアップルパイが好きだったんだろうか…、とまた考える。
そんなことはないよなぁ…。
でも、鰻の店の跡地にアップルパイの専門店が入るというのは「好き嫌いで判断される本来の市場規模」とは違った何かが働いた結果なんだと思うに至る。
それはブームだとか、意図的な煽りのようなものが作った「泡沫(うたかた)市場」。
ブームは儚く終わるもの。
終わったあとはもう取り返しがつかないほどに小さく、小さく、縮こまっていく。

ここに限らず、飲食店が閉店したあとをスイーツ系の物販店が使って開業する例が増えた。
人手をそれほど使わずにすむ。
お腹を満たすことが目的の食事、料理と違って買いだめができたりもする。
だから売上を取りやすいというのが理由なのでしょう。
見栄えが良ければSNSで拡散されてブームになれば儲けもの。
物販ならばレストランに比べて設備投資も少なくてすむ。
いいことづくめのようでもあって、でも調子にのってスイーツショップばかりが増えたら一体何を食べればいいのか。

人手が足りないのなら、スイーツを食べればいいじゃないの…、と21世紀のマリーアントワネットさまが言う。

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