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これからの飲食店のスタンダードのひとつかも…。
増床になった椿屋珈琲にやってきて、 新しくできたフロアーを使ってみました。
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大正モダンなインテリアは従来通り。喫煙ブースが設られてブース席が中心のしっかり作り込まれた客席構成。
今までのフロアは大空間がもつのびのびとした空気感が特徴で、可動式の椅子、テーブルが昔ながらの喫茶店的ムードをかもしだしていた。
ただ開放的であるということはコロナに無防備。パネルを立てたり椅子テーブルをまびいたりと工夫でなんとかしのいでる。
新しいフロアはプライバシーを優先した今の時代の店づくり…、なのかもしれない。
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ブースのサイズがよく考えられてる。
4人座れば互いの距離はとても親密。2人でゆったり、1人で座ればとても贅沢というサイズ感。
体を横にすればギリギリすれ違うことができる通路の幅や鬱陶しくない程度の衝立。考えられたさまざまが今の時代の快適を作り出してる…、悪くない。
随所に椿のモチーフが散りばめられてる。
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ステンドグラス風の窓に椿の花。ソファの張り地や照明器具の傘にも椿。
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投資効率最優先の今の外食産業がかけぬお金のかけっぷりが見事でウットリ。ピカピカに磨き上げられたテーブルに椿の花が映り込むのが切なくなるほどうつくしく、しばらくじっと見惚れてしまう。
すべてがコーヒー一杯を1000円で売り切るための投資といえばそれまでだけど、こういうお店がチェーン店として存在できるとするならそれはすばらしいこと。なんだか応援したくなる。
そもそもコーヒーなんて飲み物は生きていく上で必要なものなのか…、といえば決してそんなことはなく飲まなくたって生きてける。その不必要をあえてたのしむ心の余裕が「豊かである」ということで、不必要をたのしむ作法が「文化」だったりするんじゃないかと思ったりもする。
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必要ばかりをおいかける。
食の世界で言えばお腹いっぱいになればいいと割り切る瞬間が気持ちが貧しくなる瞬間。
経済的には貧しくないのに消費行動が貧しくなるのは、心が貧しい証拠なんじゃないかと思う。
不必要をたのしむ余裕をなくしたくない。
不必要をたのしませてくれるお店がもっとたくさんあってもいいなぁ…、なんて思ったりする。
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霜のはりつく冷たい真鍮製のマグでやってくるアイスコーヒー。ホットコーヒーをたのむと点てたサイフォンを持ってきてカップに目の前で注いでくれる。ロイヤルコペンハーゲンのガムシロ、ミルクのピッチャーとコーヒーをおいしく感じさせてくれる工夫が随所にあるのもステキ。
おいしいコーヒーを飲みたい人が行くべき店は他にある。あくまでここはコーヒーをおいしく感じたい人が集まる場所で、そのための時間と装置が過不足なくここには用意されているのがいいのでしょう。
そういえば今までなかったサービススタッフを呼ぶためのボタンが置かれています。
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規模が大きくなったこと。見通しの悪い客席構造になったからしょうがないのでありましょう。ロイヤルコペンハーゲンのシュガーポットと無粋な器械が並ぶ景色がなんだかちょっとオモシロイ。
ハープシコードのバロックが流れる優雅な空間で、あれこれいろいろ書き物してたら氷がすっかり溶けちゃいました。長居した。
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