ねぎま鍋のたまごとじ
気持ちが少々落ち着かず、今日はのんびりしようと家に帰る前に昼食。
荒木町をぶらりと歩いた。
人出は多い。お店もほとんど営業はじめているけれど、まだ冬休みという店もちらほら。目当てのお店が休業で、ならば新年のご挨拶をかね「さわ野」で昼食…、とやってくる。
お店に入ったときには先客1組で、オキニイリのカウンターの端の一席もらって座る。料理を注文しおわって、お茶をのんびり飲んでたら次々お客さまがやってきてあっという間にお店は満席。
ご主人、ひとりで料理をテキパキ作る姿にニッコリします。
鯖の塩焼き、柚庵焼き、ぶり大根はいつもの定番。いつも季節の料理が一種類は献立にありそれがたのしみ。今日は「ねぎま鍋の卵とじ」を注文しました。今日の一番人気のようで、二人にひとりの割合でたのむ人気にまたニッコリ。
ねぎま鍋といえば江戸の庶民の料理のひとつ。
脂の強いマグロのハラミが今のように重宝されず、下魚と呼ばれていた昔。
脂を食べやすくするようにと醤油と出汁でネギと一緒に炊いたのがはじまりなんだと言われてる。
厚めに切ったマグロのハラミ。
厚揚げ、ネギをくつくつ炊いて、卵を流して閉じて仕上げるご飯のおかずにほどよい仕上がり。
ここの料理はすべてにおいて塩梅がよい。塩加減、醤油の風味、出汁の強さと炊いた素材を邪魔せぬていどの味わいで汁までごくごく飲める仕上がり。
しっとりとしたマグロの肉にキュッキュと奥歯をくすぐるようなネギの食感。ふっくら出汁を吸い込み固まる卵の味わいがなんともやさしいオゴチソウ。
サイドの小料理、4種類が正月的に目にうるわしい。
氷頭のナマスにミツバにイクラ。伊達巻の上にふっくら煮上げた黒豆を松の葉に刺したあしらい。数の子と切り昆布の松前漬けに漬物3種。
氷頭がコリコリ、奥歯で砕ける。これを食べると日本酒だよね…、冷をクイッとってタナカくんが言っていたのを思い出す。
ねぎま鍋に山椒パラリっ。軽い痺れが食欲湧かす。今年の正月は風邪のおかげで気持ちがずっとグズグズしてた。コロナでなかったことを良しとしなくちゃねって思いもします。これからじわじわ巻き返し。
なめこと豆腐と三つ葉の味噌汁。キビの入った雑穀米。お店は始終にぎやかで、今年もよろしくお願いします…、と新年の挨拶をしてお店を出ます。お腹はほどよく満たされる。
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