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昭和喫茶の居心地よきこと…。

激しい気圧の変化のせいか、朝の気持ちがすぐれずベッドでボヤボヤしてた。
新宿に出なきゃいけない仕事があるのに、なかなか気持ちが前に向かずにグズグズしてて、それでもやっとベッドを抜け出しテクテク歩く。
今日は朝ごはんをスキップだなぁ…、なんて思って新宿三丁目までやってきて、ビックロの脇路地見たら傘さす人の行列がある。
天ぷらつな八の開店待ちの行列で、ほとんどの人がアジアからのインバウンドさん。コロナ前の風景がほんのちょっとだけ戻ってきてる。
気持ちがちょっと明るくなった。

そこの近くにローレルっていう喫茶店が、昔は朝からやっていてよくきてた。コロナ以降は11時開店になっちゃってそれで来なくなっちゃったけど、朝食メニューがそのままランチセットになって食べられる。ひさしぶりに食べてみようとよってみる。

ちょうどお店のディスプレーの変更中。
赤い壁紙、モールや小さなクリスマスツリーが飾られている。クリスマス仕様になるんでしょうね…、もう2週間で師走ですもの。気忙しい。

お金をしっかり使って作ったインテリア。喫茶店が飲食業の花形だった時代の店は、気持ちを豊かにしてくれる。利益を出すための器じゃなくて、人を心地よくするための場所。いいなと思う。なつかしい。

構造柱を取り込むように設られた3人席がボクの定位置。
テーブルと柱の間に棚が3段。ほどよく窮屈なところがむしろ心地よく、秘密基地みたいな感じがたのしいオキニイリ。

ホットコーヒーにトースト。
フランクフルトにサラダのセット。

まずコーヒーと一緒に大きなステンレスのミルクピッチャー、砂糖がやってくるのも昭和喫茶な感じでステキ。
ミルクを注ぐとコーヒーの酸で乳脂肪分がチリチリ固まり模様を描く。
ほどよく酸っぱく苦味やわらか。目が覚める。

トーストをよく焼いてくださいってお願いをした朝食セット。

いい焼き加減に顔がほころぶ。

バターがたっぷり塗り込められて表面ツヤツヤ。
まだ残ったバターの塊が溶けてパンに染み込む様子をみながらサラダをまず食べる。耳の奥で野菜が壊れる音がして、みずみずしさに目が覚める。

フランクフルトをひと口大に切り分ける。
バターがしみたトーストを一口大にちぎって上にソーセージ。芥子を塗ってパクリと食べる。ドッグロールの代わりにトーストで作ったホットドッグみたいな感じ。こんがり焼けたソーセージがサクッと歯切れてジュワッと肉汁。トーストがそれを受けとめ口の中のすべてが混じってとろけてく。
おいしいなぁ…、芥子の辛味とスッキリとした香りが後口引きしめて次のひと口をねだるおいしさ。

ゆっくり、のんびり食べてたら「ニューヨークシティーセレナーデ」が流れてくる。なつかしい歌。タナカくんは歌うと声が高音で、この曲をたまに歌ってた。なつかしいなぁ…、って思っていたらイーグルスの「デスペラード」に曲が変わって、これはボクの持ち歌で一層気持ちがなつかしくなる。

食事を終えて外にでたらディスプレイの模様替えが終わっていました。さぁ、仕事。


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