とびきりのパニーニ
とびきりのパニーニ食べたい…、そう思って朝、散歩する。
四谷三丁目から南に向かってテクリと10分。
パラリンピックの警備が途端に物々しくなる千駄ヶ谷。
家の近所を散歩するとボクらはオリンピックの真ん中で生活してる…、ってしみじみ思う。
そういえば先日、タナカくんのお母さんと電話でおしゃべりしたときに、オリンピックスタジアムが映るたびに、あぁ、この近所で雅紀が生きてたんだ…、ってなんだかなつかしくなるんですよっておっしゃっていた。まだそこここにタナカくんの気配が確かにあるものネ。
タナカくんがこの上もなく好きだった「バードアンドルビー」のパニーニ。プロシュートルッコラだけを挟んだ一番シンプルなのが大好きで、カフェマキアートをお供に選ぶ。
バリっと硬い表面にみっちり生地の詰まったパン。分厚く大きく、噛みごたえも食べ応えも十分で、それに比べて挟んだ生ハム、ルッコラは少なく感じる。
けれどどちらも味や香りがしっかりしてて、挟むと同時にたっぷり注いだオリーブオイルがまたうまい。噛むと最初はパンが砕ける痛快感にニッコリとして、それに続いて生ハムの塩。脂がジュワッと滲み出したと思うとルッコラの緑の風味がオリーブオイルと混じって味が整っていく。その一部始終をパンが見守りお腹も満ちる。
あぁ、しあわせだ…、シアワセな味。豆そのものが甘くてぽってり喉越しの良いマキアートをのみぼんやり街を眺めて過ごす。晴れの朝。
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