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西銀座駐車場コーヒーとパブカーディナル

銀座の地下には大きな駐車場がある。
外堀通りのちょうど下。銀座5丁目から西に向かって8丁目までズーッと続く駐車場。
地下一階と二階全部で700台分。きれいなトイレが随所にあって洗車場まで完備されてる。
出口のひとつが銀座ウエストの横にあったりするので、歩行者の通り抜けは推奨されていないのだけど雨の日なんかに歩道代わりに使ったりする。
昔は「駅前」というのが一等地の唯一無二の条件だったけど、今はそれだけじゃ一流の商業地とは言えない時代。銀座の地下は銀座の街が一等地であり続けるためにがんばっている…、ってことなんでしょう。オモシロイ。
5丁目側の入り口にずっと「待合室」って喫茶店があったのだけど、今はどうなってるんだろうと思って来たら「西銀座駐車場コーヒー」って店になってた!

あまりにストレートな店名にのけぞりそうになってお店の全景みたら駐車場にポツンと置かれたガラスの箱のようでなかなかステキな景色。

ちょっと入ってみることにした。

セルフサービスの今様のエスプレッソバー。白い壁で仕切られたところが客席で、その壁に写真が貼られてギャラリーのようになっている。

見ると「パブカーディナル」の店外、店内を撮った写真。ソニービルの一階にかつてあった英国式のパブレストランの姿がなんともなつかしい。

しかも客席として置かれてる椅子、テーブルはそのパブカーディナルに置かれていたものだというではないの。

見るとたしかに年季の入った英国家具。

赤いベルベットの椅子の張り地がなつかしくって、在りし日のことを思い出す。
六本木にあったパブカーディナルなんてまるで英国だったものなぁ…。
あの名店をなくした六本木は気の抜けたただの盛り場になっちゃった。なんだかすごくもったいない。

カフェラテをもらってお供にヴィーガンのバナナドーナツをもらってぼんやり。

それにしてもデザインワークの行き届いたお店です。
カップに貼られたロゴには店名と一緒に「東京都中央区銀座五丁目三番一号地先西銀座駐車場地下一階」と住所が長々記されてる。そのフォント選びや字配りが端正にしてうつくしく、悪くないなと感心します。

揚げずに仕上げたドーナツです。

だからドーナツというよりも「ドーナツの形をしたバナナブレッド」と言った方がしっくりとくる。
味はというとこれがなかなか。熟したバナナがねっちり酸っぱく、バッサリとした生地が唾液を奪ってく。そこでゴクリとカフェラテを飲む。

ぽってりとした泡がおいしい佳きカフェラテです。エスプレッソの苦味よりもミルクの風味や旨味が際立つ仕上がりで、お腹にやさしい。悪くない。
ちなみにカフェラテにドーナツをお供にすると1000円超えという価格。なるほどここは銀座5丁目!駐車場の中といえども銀座価格とちょっと笑った。

それでも貸切状態という贅沢を考えるなら悪くないか…、と思ったりする。オモシロイ。

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