さみしい朝に№4の甘いゴチソウ
ちょっと気持ちが沈んだ感じ。甘いもので朝をはじめて気分を上げよう…、と思ってテクリと東に向かう。
30分ほど歩いたところで、「№4」が見えてくる。
再開発待ちの空き地を使った平屋の建物。数寄屋橋のソニーパークもそうだったけど、開発できる場所なのに開発しない贅沢さってかけがえがない。ソニーパークはとうとう開発がはじまっちゃった。ここはいつまでこうしてこのままいてくれるんだろう…。
今日はスズメがピョンピョン歩いてました。
癒やされる。
テーブルの上に置かれたQRコードでメニューを読み込みモバイルオーダーができる店。
そのQRコードを持ってレジに行けば対面注文もできてボクはいつもそうする。だってお店でたのしいことのひとつがお店の人と接することで、しかも細かな要望を聞いてもらえるチャンスでもある。
フレンチトーストにベーコン添えてスモールサラダを追加して、ホットコーヒーをくださいな…、といつもの注文。
注文を聞いてくれてたお店の人が「おひさしぶりです。お元気ですか?」って。「元気ですよ…、今日も歩いて来ましたもん」って答えたら「ベーコンはいつものようによく焼きで?」って続けて聞くのネ。
うれしくってうれしくて、気持ちがすっかり晴れました。
カップにコーヒー、ピッチャーにミルクを入れてもらってのんびりしてたらサラダが到着。
ケールにリーフレタスにトマトにキヌア。ほどよい量のビネガードレッシングが口をさっぱりしてくれて、ケールがもさもさ、口で暴れる感じがたのしい。トマトが硬くて酸味や香りが鮮やかで、キヌアがプチプチ奥歯ではぜる。お腹が目覚めるオゴチソウ。
サラダを食べたところでメイン。
「ベーコンよく焼きでご用意しました」って言葉と一緒にやってくる。
そのベーコンの焼き加減が見事で思わず「これ最高だね」ってベーコンを指差しながら言ったら「よかった…、厨房のスタッフに伝えておきます」ってにっこり。
飲食店はチームでもてなす場所だから、こう言うひと言にホッとする。
しかもお世辞抜きで見事なベーコン。
ほどよき厚さで脂が透き通るほどに焼けててよじれた姿にウットリします。焦げた脂の香りも力強くてウットリします。
ブリオッシュ生地で作ったフレンチトースト。
もともとふっくらやわらかく、小さな穴がたくさん空いた粗い生地。そこから卵液がいきわたりしっとり仕上がる。けれどオモシロイのがズブズブじゃなく食感軽やか。上にたっぷりほどこした粉糖が濡れぬほどに生地の表面も断面も乾いているのがとても独特。
表面カリッ。そしてサクッ。なにもつけずにそのまま食べると自然な甘みと塩のおいしさが口に広がる。
メープルシロップをたっぷりかけてホイップした塩バターをのっけてパクリ。
メープルシロップのみずみずしさと香ばしさ、やさしい甘みにバターのコクが混じってとろける。バターの塩気が後口キリッとひきしめて、ウットリするような食感、味わい。
カリカリに焼けて脂の部分に小さな穴がたっぷりあいたベーコンもメープルシロップを飲み込んで甘くてしょっぱくコクある味わい。ホイップバターと一緒にのっけてパクリひと口。
おいしいなぁ…、甘くてうまくてしみじみおいしい。ミルクをたっぷり注いだコーヒーで口をすっきりさせながら食後の時間をのんびりたのしむ。また来よう。
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