鉄板中華で野菜を食べる
今日も野菜をと思って「遊猿」。鉄板で仕上げる創作中華料理のお店。
昼は野菜料理の前菜バフェが人気で、今日も開店直後を狙って来たのにすでにカウンターはほぼ一杯。
中国料理ってひとりで来るとあれこれ料理が食べられなくて寂しい思いをすることがある。
けれどバフェがあれば、いろんなものをちょっとづつ。ひとりが寂しくないのがうれしく、そんな気持ちのお一人さまでいつもにぎやか。
カウンターの角の席をもらって座る。
目の前にはサラダ野菜がドサッと入ったボウルがあって、野菜をもりもり食べてやるぞって気合が入る。
前菜バフェの料理はいつもほとんど同じ。紫キャベツのマリネにキャロットラペ、トマトにもやし、ポテトサラダにキュウリと揚げ茄子の醤油漬け。
カレーや卵の煮物に炒めパスタと野菜以外の料理もあってメインがなくても十分お腹も気持ちも満たされそうな充実具合。
ポテトサラダに卵の煮物、カレーともやし以外をとってお皿に並べる。
紫キャベツって、育てるのに普通のキャベツより時間がかかる。しかも小ぶりに育っていくから生産者さんにとっては厄介な野菜なんだ…、って先日聞いた。ザクザク歯切れる感じは普通のキャベツ以上で軽い渋みが食欲湧かす。
ネギ油をまとったトマトはほどよく酸っぱく、揚げ浸しにした茄子はクチュっと潰れておいしい煮汁を吐き出す。
グルンとお皿を反対側にすると野菜が気配を消して、パスタ料理のように見えたりするのものたのしい。
それからスープ。
大根、白菜、それからエノキがたっぷりはいって味噌の風味にエノキのうま味が混じっておいしいったらありゃしない。
メインは油淋鶏を選びました。
タナカくんが好きだった料理です。
軽く蒸してやわらかくした鶏もも肉に分厚い衣をまとわせバリッと揚げたのを、サラダ野菜の上にのっけて酸っぱいタレをかけまわす。
衣はザクザク。
肉はふっくら。
断面を見れば分厚く皮は衣と一体となりバリッと揚がって香ばしい。
家ではこういうふうには揚げられないよね…、っていいながらうれしそうに食べていた。
今日はタナカくんを思い出させるお客さまがいた。体つきや顔つきはほんのちょっとだけ似ていて、けれど食べる様子がよく似てた。
背中をちょっと丸めてじっと料理をみながら、時間をかけてもぐもぐもぐもぐ味わい食べる。ずっとニコニコしながら食べる様子がなんだかなつかしくって、じっと見ちゃった。しょうがない。
ご飯はほんのちょっとだけにした。かわりに炒めパスタをたっぷり食べる。
お皿にドサッと炒め麺。サイドにキャロットラペを盛り付けてよくかき混ぜて一緒に食べる。
中国醤油と山椒油、赤唐辛子の辛味をまとわせ炒めた麺で、みずみずしさは一切ない。モサモサしていて、口に入れてしばらくは口の水分を奪ってく。
キャロットラペと一緒に食べてるみずみずしさがそこにくわわり、ザクザクとした歯ごたえが散らかる麺と一緒になって口の中をにぎやかにする。
山椒の痺れ、赤唐辛子の辛味にラペの酸味が混じってずっと食べていられるんじゃないかって思えるほどのオキニイリ。
ゆっくりじっくり味わいながら、お腹も気持ちもしっかり満ちる。なにより野菜をいっぱい食べた。心地よい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?