見出し画像

けんちん汁にそば、うどん

ひさしぶりに新宿御苑の「志な乃」でおそば。

オキニイリの店でした。いつも店の前は通ってた。
でもしおれた外観、商品サンプルがほとんど入っていないサンプルケース。
入ってみるのに長らく躊躇していたお店。

そういう意味では四谷三丁目の尾張屋とよく似た感じで、実際食べるとこれがなかなかおいしくて、たちまち好きになったところもよく似た感じ。
民芸調の造りのお店。
小上がりの座敷があってテーブルがあり、奥に厨房。
今日ははじめて小上がり席に座ってみた。太ってた頃は座敷に座るのが難儀だったけど、今は自然とあぐらがかける。

座敷に座ると椅子に座ったときに比べて下から見上げるようになる。天井の造りも凝ってて、右手に床の間。田舎のお店に来たように感じるところがオモシロイ。

メニューは少ない。蕎麦、うどん。天ぷら、けんちん、五目にとろろに鍋焼きとたったそれだけ。自信のあるものだけで商売ができるというのがうらやましい。
けんちん汁とここの一番人気の「合盛り」にする。

まず合盛り用のタレと薬味がやってくる。大きな徳利になみなみたっぷり。薬味もわさびに生姜、ネギに大葉に大根おろし、刻んだ胡麻とこれまたたっぷり。
けんちん汁がまずやってくる


大きく切った大根、里芋。香りの強いニンジン、ごぼう。

よく煮込まれて角がとれた豆腐にネギ、ほうれん草。ちぎったこんにゃく。どれにもしっかり汁の味がしみこんでいる。ごま油と出汁の香りが食欲さそう、あったまる。

メインの合盛りがやってくる。

そばにうどんで合盛り。そばは太めで色黒で、うどんは細めで明るい飴色。
手打ちで手切り。だから幅や厚さにばらつきがある。

食べるところで噛みごたえや食感が変わるところが魅力的。
どちらもみずみずしくてつやつやしてて、キリッと角が立っている。
まずそばをけんちん汁に浸して一味をパラリ。

スルンとたぐるとごま油の香りとしっかりとした汁のうま味がそばにからんでやってくる。そばはむっちり、喉ごしなめらか。温度の変化でそばは食感、風味を変える。オモシロイ。

冷たいタレがうまいんですネ。

色は薄くて透明だけど、出汁のうま味に昆布の甘み、塩の輪郭、風味が強くて、ここの太くてたくましい麺にもしっかりからんでくれる。
そばにはわさび、うどんは生姜をのせて味わう。
すったばかりの生姜はビリリと辛くて香り鮮やか。わさびは甘みを感じるおいしさ。
そばもうどんも噛みごたえがよく、そばはそばの、うどんは小麦の香りが鼻から抜けていく。

ズルン、スルンと味わって、あっという間にお腹に収まる。
まもなく終わりのタイミングにて、そば湯と熱々のお茶がやってくる。ネギを入れたそばだれに、ぽってりとしたそば湯を注いでお腹をあっため〆にした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?