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伊達巻が浮かぶ五目ワンタン、甘露なり

先日出会ってたちまちオキニイリになった中華食堂の「登喜和」。

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メニューの種類がすごく多いというわけじゃない。けれど気になる料理がたくさんあって、それでまたまたやってきてみた。
もっと遠くにある店と勝手に思って、ポールバセットを出たのが少々早すぎてまだ開店前に着いちゃった。
サンプルケースの中を見ながら、さて、今日は何にするかと思案する。
そもそも中国料理店のかつ丼はおいしいというようなことをFacebookでつぶやいたら、このお店のは旨いですよと紹介してもらった店で、けれどお楽しみは最後にとっておこうと思うお年頃。

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サンプルケースのど真ん中にある「五目ソバ」が妙に堂々として「ボクを食べて」と言ってるようで、それにするかと気持ちが決まる。そのタイミングでお店のシャッターがガラガラと開く。時間は11時20分のちょっと過ぎ。開店前ではあるけど、どうぞとお店の中に収まった。

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メニューをも一度確認。すると五目ソバの隣に五目ワンタンメン。その隣には五目ワンタンと並んでて五目ワンタンって面白そうじゃないかと思ってそれにする。
それにしても「そば」が「蕎麦」ではなくて「ソバ」というのが中華料理のお店らしくてフフフ…、と思う。

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厨房を仕切る下がり壁に色とりどりのプラスティックの小さなプレート。形もさまざまで料理の名前がかかれてる。このプレートで注文を通すシステム。昔はこういう仕組みのお店が多かった。古臭いけど確実で慣れるととても便利であるに違いない。
テキパキ料理は出来上がり、五目ワンタンに半ライスが湯気と一緒にやってくる。

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二度見、三度見してしまいそうなほど見た目独特。
まず見て取れるのがかまぼこ、伊達巻、うずらの玉子が堂々2粒。
なるとに叉焼。
なかなかにぎやか。
しかも汁そばの上に浮かんだ伊達巻という景色にお目にかかる機会はまずない。

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主役のワンタンを探そうと箸をいれるも大量のキャベツが出てくるばかり。
ピーマン、きくらげ、飾り包丁の入ったにんじん、ほうれん草とあたかも野菜スープのごとし。胡椒をパパッとふりかけてスープをすすると、なんとおいしい。
スープの旨味に塩がくっきりとした輪郭与えて野菜の甘みや風味で味が整っている。やさしいのに力強くて体も気持ちもあったまる。そしてワンタンと巡り合う。

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薄い生地にほんのちょっとだけの豚肉の餡。ほんのちょっとだけなんだけど口に含むと豚の旨味や脂の風味、生姜の香りが口に広がる。ペロペロプルプルした薄生地がとろける感じが肉感的。そのスープ、そして具材は麺じゃなくてワンタンだなぁ…、ってボクの直感を褒めてやる。

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それにしてもキャベツの甘いこと。ザクザク歯切れて線維が壊れる騒々しさにやさしくなめらかなワンタンの生地。スープをたっぷり吸い込んだ叉焼のおいしいことにもウットリします。
ご飯を一口。口の中を転がるご飯の粒のひとつひとつがスープの余韻を拭い取り、口をリセットしてくれる。
お酢を少々。甘みが膨らみ脂もスッキリ味わえる。そうそう、伊達巻の甘さとふっかりした食感もいいアクセント。こんなにおいしいスープってそうそう食べられるものじゃないよなぁ…、ってしみじみ思った。オキニイリ。


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