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散歩の先のとびきりのゴチソウ

最近、歩くことをサボってる。ちょっと体が重く感じてテクリテクリと新宿御苑の東側を歩いて千駄ヶ谷につく。

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バードアンドルビーのパニーニを食べたくって30分ほどの散歩となった。
小さな店です。

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まるで屋台が小屋に突っ込んだみたいな姿。屋台の前にベンチとテーブルが置かれてよければ、そこで食べてってもいいですよ…、って感じでもありその客席部分よりも圧倒的に厨房の方が大きい。

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使い勝手のいい作業台に立派で大きなエスプレッソマシーン。パニーニを焼くためのプレス式のグリドルがあり、奥には仕込み場。
厨房と客席を仕切るカウンターにはショーケースが埋め込まれていて、サンドイッチがズラリと並ぶ。これに車輪をつけてフードトラックみたいにいろんなところに運んだら人気になるに違いない。なによりうちの近所に移動してきたら、飛んでいって買うのになぁ…。

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お店の入り口にドアも壁も無いから冬には寒い。オレンジ色に光る電気ストーブが目にも体にもあったかい。
注文したのは、生ハムとルッコラのパニーニとマキアート。
10種類ほどのサンドイッチがあって、いろいろ食べてみた。ゆで卵とサラミのパニーニはサラミの脂が茹でた卵をとろかすおいしさ。ツナとスライスオニオンのパニーニはツナの脂が口いっぱいに広がっていく感じがおいしい。口の中の水分を一切合切奪っていくようなフォカッチャのサンドイッチもおいしかった。
けれどやっぱりここで一番おいしくて、来るたびたのむのはプロシュートルッコラ。タナカくんが「嫌になるほどおいしいネ」って愛したパニーニ。

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挟んで焼いて仕上げたパンはてっぺんと底が真っ平ら。
波型グリルの跡がついてちょっと凸凹。
こんがり焼けてて、焦げた小麦の甘い香りが鼻をくすぐる。
2枚に開いたパンの間から緑のルッコラが顔を覗かし、そのルッコラを生ハムのベールが包む。艶っぽくって色っぽい。

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パンの大きさ、分厚さに比べて具材の量は少ない。具材以外に使われているのはオリーブオイルと塩少々。なのに食べると生ハムとルッコラの味が力強く口に広がる。
パンに生ハム、ルッコラの味が一瞬バラバラに口の中に散らかるところ、オリーブオイルがそれらを一つにまとめてとろかす。ケチャップを使うとサンドイッチがアメリカ料理になるように、オリーブオイルひとつでサンドイッチがイタリア料理になっていくのがオモシロイ。

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噛みしめれば噛みしめるほど味がでてくる。パンはほどよく固くて噛みごたえがあり、小麦の風味も塩の味わいもしっかりしてる。パンだけちぎって食べてもおいしい。けれどパニーニとして味わうと、パンもおいしい。生ハムのネットリとした食感や脂の旨みが引き立つし、ルッコラってこんなに香りが強くて線維がしっかりした野菜だったんだ…、ってそれぞれの持ち味の良さを再認識する。

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ひと噛み、そしてまたひと噛み。

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噛み、味わってマキアートを飲む。ぽってりとしたエスプレッソにふっくらミルクの泡がのっかり、口の中でそれらが混じって甘くてなめらかな飲みごこち。飲んだ直後にお水をちょっと口に含むと、苦味や酸味が際立って口がすっきりリセットされる。今日のパニーニも嫌になるほどおいしかったよ…、オキニイリ。


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