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モツ鍋の〆の雑炊をおいしく食べる私的メソッド

新宿三丁目の龍の巣で夜。
人気の店で案内されたテーブルが炭をおこすための窯の正面。冷房がガンガンにきいてるもののやはり暑くて、暑いついでに鍋をメインにしてみることにする。季節も9月でありますゆえ。

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肉入りかすもつ鍋というここの名物。
焼肉店ではあるけれど、もともとホルモンが旨いので人気が出た店。
ホルモンの〆に大阪名物のかすうどんをあわせれば、安くお腹が満たせるというのもありがたい工夫で、そのホルモンとカス、うどんの出汁と揃えばモツ鍋が美味しくないはずがない…、そういう名物です。
白赤黒と三色あって今日は黒。ニュージーランドオールブラックスリスペクト(笑)。

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鍋にモヤシ、ニラにキャベツをぎっしり詰め込み上に牛バラ肉を煮込んだものにもつに牛カス。
赤唐辛子ににんにくのっけてクツクツ煮込む。
牛骨スープに黒ごまのペーストたっぷり。
それが黒の由来で、熱が入っていくと胡麻の香りがこうばしい。
モツ鍋はあまりさわらず、ほどよくほったらかしてなるようになってくれるとおいしくなる…、と思っているから、あまりさわらず。
盛り上がった鍋の中が徐々にぴしゃんと凹んでいって、モツがクシュッと透明になる。
それが食べ頃。シャキシャキシャクシャク、プルンプルンと鍋の中身を食べ終わったら〆の雑炊。
ここからはしっかり手間をかけて最新の注意のもとに仕上げてく。

まず火を弱火と中火の間に保つ。
スープが沸騰せぬように。
けれどご飯が入っても温度があまり下がらぬように…、という温度感が大切で、そっとご飯を鍋にうつす。
おたまで軽く押さえて高さをそろえ、余分な汁をアクごと丁寧にすくい取る。ご飯がひたひたになる程度まで減らして、弱火でじっくりご飯に熱をいれてく。
ここが大切。
ご飯が思う存分、スープを吸い込んだところで玉子の黄身を箸で十字に軽く切り、強火で沸騰させたところにかけまわす。
玉子を完全に溶いてしまうと玉子の存在感を感じることができないから、黄身と白身がまだ別れてる状態がまた大切。
蓋して白身がかたまりつつあるタイミングで、そっとおたまですくい上げ茶碗に移してネギと海苔。
黄身はふっくら、白身はプルンとすべすべとした状態で、口の中がにぎやかになる。しかもご飯の粒のひとつひとつが旨味と滋養が体の中に染み込むゴチソウ。

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鍋をたのしむかたわらで肉も焼きます。厚切り牛たんは脂が滲んでタンの表面がサクサクになって仕上がる。そのサクサクな歯ざわりを裏切るようなとろけてネットリしていくさまが牛たんという素材の醍醐味。
ふっかりとしたハチノスににんにくをたっぷりからめて休ませた壺漬けのハラミ。
どれもおいしく、けれど最近、オキニイリなのはソーセージ。炭の上においた網の上で1番おいしくなってくれるのはもしかしたらソーセージかもしれないなぁ…。皮が焦げて爆ぜるように裂けて中がこんがり焦げていく。炭で焼かなきゃこうはならない、オキニイリ。


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