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手で食べること、手で食べるもの②

寿司をつまむ。
そばをたぐる。

ボクが好きな言葉です。
「寿司を食べないか?」って言われるよりも「寿司をつまんでいきませんか?」と言われたほうがおいしい寿司を食べられそうな気持ちがしてくる。
そばを食べるというのはどうもしっくりこない。
やっぱりそばはたぐるもの…、って思うんですネ。

ちなみに「たぐる」という言葉を辞書で調べると3つの意味が出てくる。

  1. 手繰る

  2. (糸状のものを)両手を交互に引いて手元へ引き寄せる

  3. 記憶などを、順を追ってたどる。一連の話などを順々に引き出す

  4. (古風)(そばを)いそがしくすする

三省堂国語辞典

「そばをいそがしくすする」ってなんともステキな表現じゃないですか。
落語家が扇子を箸に見立てて、ズズッズズッとそばをすすり上げる仕草をするけれど、まさにあのいそがしさがそばを手繰るという意味の本質。
ゆっくり食べるそばなんておいしく感じないですものね。
勢いよく、せわしなく、器から口へ何度も何度も引き寄せたぐる。
おいしいそばがボクを呼んでる気がしてきました。
さて昨日からの話の続き…。


暗闇のレストランという不思議なお店がありました

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