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ロイヤルホストと飛行場

ロイヤルホストと飛行場は相性がいいと言われてた。

ロイヤルホストは日常の中にあるギリギリ最高の贅沢を提供する…、がテーマのコーヒーショップ。
コーヒーを飲む気軽さと、けれどそのコーヒーがあたかもホテルのラウンジで提供されるがごとき品位で提供される。その驚きがロイヤルホストという存在の意義でもあった。
だから空の旅が贅沢だったころ、飛行場レストランとしてのロイヤルホストの地位は絶大。各地にあった。日本各地にありました。

ところが空の旅が安さを競う日常的なものになった今、かつての品位は必要なし…、というコトでしょう。苦労をしてる。

羽田空港のロイヤルホストはかつて隣にロイヤルデリがあって、ホストはフルサービス、デリはセルフサービスとサービスのスタイルで差別化していた。
同じサンドイッチにもサービス付きとサービス無しの値段の区別が断固あった時代ならば、その差別化もかなったのだろうけど、今やサービスのいい悪いはほとんどのお客様の関心事ではなくなっちゃった。
それで結局、ロイヤルデリはとんかつ屋さんになってしまった。
今、はやりの業態ですから、しょうがない。

ロイヤルホストの方も商品ラインを整理して、今どきの飛行場レストラン的なカジュアルラインで生き残り。名前もロイヤルコーヒーショップ。

ミックスグリルがメニューにあってたのんでみました。
かつてロイヤルホストの人気メニューのひとつでした。
今も人気がありますか…、って聞いたら、そうでもないんだという。どちらかと言えばとんかつ定食の方がよく出ますねぇと。
見れば周りの人たちは確かにとんかつ定食を食べてる人が目だって見える。

これも時代かなぁ…、と思ってしばらく待ってやってきたそれのあまりに貧相な姿に体が震えます。
鋳物のお皿に小さなハンバーグと痩せたソーセージ、チキングリルの残骸みたいのが散らかるように並べられてて、お皿の上はスカンスカン。決して味は悪くない。ハンバーグはジューシーだし歯ごたえもよくておいしいんだけど、いかんせんこんな姿じゃ気持ちが萎えて味わう気持ちが発動しない。
ご飯の代わりにとったフレンチフライは上出来でした。

ミックスグリルの値段は1380円で、多分、販売価格からレシピをおこす。とは言え品質を下げたくないから必然的に量が減ってしまったということなんでしょう。
売りやすい値段をつけた商品作り…、ってそういう商品開発はそろそろ終わりってしみじみ思う。腹六分。

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