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鍋焼きそばがおいしい季節になりました。

家に帰る途中で軽く、夕方の虫を養いましょう…、と「志な乃」によった。

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新宿御苑の近くにあって、民芸調のひなびた造り。
今日はなんだか不思議な時間に忙しくって…、とお店の人はテーブルの上の後片付けにてんやわんやの大忙し。
小上がりのテーブルは手つかずで、ひさしぶりに靴を脱ぎ畳の上に胡座をかいた。

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小さい頃。家族で外食と言えば靴を脱いで畳に置かれた食卓を囲んで食事をすることがほとんどだった。最近、そういう機会や店がどんどん少なくなって、そう言えば畳に座るということそのものがとてもひさしぶりなような気がした。家にも畳はないものネ。
涼しい今日です。
それであったかなものを食べようと鍋焼きにした。しかも「そば」。「鍋焼きそばでね」ってお願いするとその注文を厨房に入れ、なんども「そばですよ、そばですからね」とおかみさんがご主人に念をおす。

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鉄鍋の下に皿をおき、お皿も熱くなってますから…、って厳しい顔で注意を受ける。
鉄鍋をまたぐようにして立派なエビの天ぷら一本。
それが一番手前にあって蕎麦を食べるのに難儀しそうだから、箸で持ち上げ邪魔にならないところに起き直したら、ジューッと衣が焼ける音。
天ぷらも熱々。
鍋も熱々だったからなんでしょう…、ステキな先味。

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ここの蕎麦は分厚く幅広。しかも手切りで幅や厚さにばらつきがある。食べるところによってむっちりだったりザックリだったり食感違って心地よい。
しっかりとした噛みごたえ。噛んでくうちにねっとり粘って軽くとろける。うどんにはない汁との一体感が特徴的で、なによりここのしっかりとした出汁の旨味がおいしい汁にはうどんよりもそばがいい。

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黄身がとろんと半熟の好みの仕上がりの卵が一個。いんげん豆にほうれん草、ネギと野菜がたっぷり入りどれもが味わい力強くて香りが強い。

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中でも明るい色の西洋ニンジンが、まるでハーブのような香り汁ににじませて、体にいいものを食べている…、って実感が湧く。オモシロイ。

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それにしてもしいたけがゴロゴロ出てくる。分厚く大きく、彼にはまるで手が出ない代物。けれどそばと一緒に煮込んだのじゃなく別に煮たのをのせただけ。だから汁にしいたけ臭さが移ってないのが彼仕様。脂ののった鶏もも肉のぶつ切りもゴロゴロ入ってよろこんでいた。

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エビは上等。天ぷら衣がゆっくりとろけて、汁をぽってりさせていくのもおゴチソウ。


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